全仏オープンでの八百長疑惑、政府はアスリートの支援を

ざっくり言うと

  • フランス検察の捜査が始まった全仏オープンの八百長疑惑
  • テニス不正監視団体によると、4月から6月の3ヵ月間での不審な試合が24件
  • コロナ禍によって、下位ランクの選手は経済的に苦しく八百長リスクが高まる
  • 一流アスリートの困窮は、各国の政府が支援すべきことなのでは

パリで開催中のテニスの全仏オープンの八百長疑惑でフランス検察の捜査が始まったとフランス大手のレキップ紙などが報じています。

八百長が疑われているのは、9月30日に行われた女子ダブルス1回戦のシアマリア・ティグ、アンドレア・ミトゥ組(ルーマニア)対マディソン・ブレングル(米国)ヤナ・シジコワ(ロシア)組の一戦。

捜査当局によると、ブックメーカーが設定した賭けの中で、「シジコワがサーブを破られる」という項目に数十万ユーロ(数千万円)が賭けられており、シジコワが故意にダブルフォールトした疑いが持たれています。また、レキップ紙はルーマニアのペアの勝利にも複数の国で大金が賭けられていたと報じています。捜査当局の広報官は、「組織化された集団による詐欺であり、深刻な状況だ」とコメントしています。

シジコワ(シングルスは世界652位、ダブルスは世界89位)は、第2セットの第5ゲームで2度のダブルフォールトを犯し、ラリーでも足をよろめかせ、ラブゲームでこのゲームを失い、試合はルーマニアのペアが7-6、6-4で勝利しています。

【動画】八百長疑惑のダブルフォルト

 

◆警戒を強めていた不正監視団体

テニス不正監視団体のTIUによると、4月から6月の3ヵ月間に24件の不審な試合が報告されており、2020年7月、TIUは「プレーと収入の機会が減り、数ヶ月間の活動休止を余儀なくされたことによって、スポーツ賭博関連の汚職やドーピング違反へのリスクが高まっていると思われる」との声明を出し警戒を強めていました。

 

◆さいごに

スポーツベッティングと切り離せない最大の問題が八百長で、これがスポーツベッティング否定派の一番の理由となっています。

IBIA(国際賭博健全性協会)によると、2019年の疑わしい賭博に関わる警告数は183件(前年比31%減)だったとのことです。その大部分をテニス(101件)が占めており、次いでサッカー(49件)となっています。地域別では、ヨーロッパ(48%)、アジア(28%)。

2019年に警告数が大きく減少している理由は、不正監視団体等による厳しい取り組みの成果によるものですが、コロナ禍によって多くの大会が中止に追い込まれ、下位ランクの選手は経済的に苦しい状況に立たされており、ここにきて八百長のリスクが高まっています。

下位ランクの選手にしたら甘い誘惑なのでしょうが、こんなことでアスリートとしての一生を棒に振っていただきたくはありません。コロナ禍における一流アスリートの困窮は、スポーツ団体だけでなく各国の政府が支援すべきことなのではと思います。