ディーラースクール体験記②(ラスベガス・BJ編)

ざっくり言うと

  • PCI Dealer Schoolでのブラックジャックの作法を紹介
  • 日本の学校で学んだこととは大きく異なる
  • どちらが正解という話ではない

前回記事に引き続き、ラスベガスのディーラースクール体験記です。

PCI Dealer School(以下、PCI)への入学にあたっては、日本カジノスクール(以下、JCS)で1年間トレーニングを積んで臨みました。PCIの概要は、前回記事を参照ください。

JCSでしっかりトレーニングを積んで行ったことで、PCIでは、技術的なことで困ることはほとんどありませんでしたが、一方で、ディーリングの手順や作法については、日本で学んだこととラスベガスでは大きく異なっており、かなりの困惑と苦労がありました。

今回はかなりマニアックな話になりますが、これからPCIに入学する人のために、また、備忘録として、JCSとPCIの違いについて書いておきます。


◆ブラックジャック

百聞は一見にしかずで、まずは、オーナー兼校長のMr.Jesse がYoutubeに公開しているデモをご覧ください。


Dealing Blackjack demo(7分11秒)


シャッフル
・JCSでは6デックスのカードを6組に分けてシャッフルしていましたが、PCIでは4組でやるように指導されます。4組にすることで難易度は高くなりますが、シャッフルのスピードはアップします。

・シャッフルが終わったら、その形跡が分かる状態のカードに指を2本乗せて「rolling」のコール。


カード回収
・まずディーラーのカードを回収し、そのカードを使ってプレイヤーのカードを右から全回収。上記デモ動画参照。


イニシャルディール
・ファーストベースからの左の2席は、左手でカードを配布。配当やカード回収は右手。

・カードの置き場所は、ベッティングサークルの右下にカードが少し重なるぐらい。


配当
・配当の仕方がJCSとPCIではまったく異なり、かなり苦労しました。
・写真は、ディーラー側から撮ったものと、プレイヤー側から撮ったものが混在しています。

<BJ以外>


単色基本:サイジングで横づけ


2色基本:2色に分けて、それぞれサイジングで縦づけ


3色基本:3色に分けて、それぞれサイジングで縦づけ
※JCSで習うようなチェックラック横で配当をつくることはせず、直接ラックから配当分のチェックをまとめて取って配当です。オリジナルベットを分解することで、計算する必要がなくなります。


3色アレンジ:黒、緑4枚、緑残りに分けて、縦づけ
※緑をたくさん渡す必要がない時は、黒にコンバージョンして配当


ダブル:緑をたくさん渡す必要がない時は、黒にコンバージョンして配当
※黒の下のチェックがずれていますが、これはヒール(Heel)と呼ばれ、天井の監視カメラに不正がないことを明示しています。

※ヒールについて(動画・1分)


<BJ>


単色:イーブンマネー+0.5倍分を分けて作るのが基本
※BJの配当を作る時は、チェックラック前で


2色基本:緑×3、赤×3の配当
※赤×3の配当22.5をまとめてつけていますが、15と7.5に分けてつけるのが基本
※BJの配当時、一番下のチェックは要ヒールです


3色基本:黒×1、緑×2、赤×3の配当
※イーブンマネー+0.5倍分を分けて作るのが基本
※BJの配当時、一番下のチェックは要ヒールです

チェックを色ごとに分けて配当する理由ですが、165ドルの1.5倍を計算するのが面倒だからが1番の理由のようです。色ごとに分けてイーブンマネー分+0.5倍分にすることで、複雑な計算が不要になり配当ミスを防止できます。


3色アレンジ:黒×2、緑×3、赤×1の配当
※イーブンマネー+0.5倍分を分けて作るのが基本。まとめるのも可
※BJの配当時、一番下のチェックは要ヒールです


3色アレンジ:黒×1、緑×3、赤×4の配当
※イーブンマネー+0.5倍分を分けて作るのが基本。まとめるのも可
※BJの配当時、一番下のチェックは要ヒールです

 

インシュアランス
・インシュアランスの賭け金がオリジナルベットの半分を超えていた場合、ホールカードを確認する前にオーバー分を返す。例えば、オリジナルベットが300ドルでインシュアランスベットに200ドルを置かれた場合、100ドルをチェックチェンジして50ドル返す。

・インシュアランスが成功した場合、上記処理をしておくことで、オリジナルを回収して、そのオリジナルをそのままインシュアランスの横につけることができる。(2 to 1)

・インシュアランスが失敗した場合、上記処理をしておくことで、インシュアランスベットを一気に全回収できる。

ピーク
・ホールカードのチェックは、カードの角をめくらず、チェックラック前のミラーを使って確認。

・Aの確認時は横、ピクチャーの確認時は縦。


その他
・ディーラーのソフト17はヒット。

・チェンジでのお金の並べ方は、右下に重ねていくのではなく、左下に。

・チェックラックに空いたチューブがないため、回収したチェックはそのまま所定の場所に戻すか、右端の空いたチューブの上部(下は埋まっている)に一旦格納して整理。

・開始のコールは、「place your bets」ではなく「Bets open」を使っていました。

・実際にサレンダーをする人はほとんどいないので、残念ながら、サレンダーの処理を披露することは一度もありませんでした。

・カジノではBJの1.2倍配当(6 to 5)を多数見かけましたが、PCIでは従来の1.5倍配当(3 to 2)を使っていました。

・PCIでは、BJのサイドベットはありませんでした。

・生徒のほとんどがハンドヘルド(いわゆるピッチング)を学んでいるので、シューゲームしかできないと練習相手に窮します。


◆さいごに

ディーリングの作法は、国によって、さらにその中のカジノよっても大きく異なるため、JCSとPCIのどちらかが正解ということはありません。PCIの校長 Jesse曰く、「This is Las Vegas style.」だそうです。

次回は、引き継き、ラスベガススタイルのバカラの作法を紹介します。


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