
カジノディーラーがいなくなる未来?
ざっくり言うと
- リゾートワールド・カジノ・ニューヨークシティは、人間のディーラーが一人もいない。
- オックスフォードの論文では、近い将来、約47%の仕事が自動化されるらしい。
- 500テーブルのカジノを運営するためには、2,800人のディーラーが必要。
参照記事
CAZYはこう思う

CAZY
カジノ&リゾート研究所
zakzakさんが紹介していた、2次元ディーラのハイテクカジノの件。
「ニューヨーク郊外にあるリゾートワールド・カジノ・ニューヨークシティ。(中略)ここは別の点でも他のカジノとは違う。人間のディーラーが一人もいない、完全に電子化されたカジノなのだ。スロットやビデオポーカーは元から機械式ゲームだからいいが、ルーレットやブラックジャックなど人間のディーラーが相手をするはずのゲームまで全部電子化されている。」(zakzakより)
この記事で、真っ先に思い出されるのが、
2013年に発表された、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」。
「雇用の未来」は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析した結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化される未来を予測しています。
自動化される仕事の中には、銀行の融資担当者、レジ係、娯楽施設の案内係、弁護士助手、ホテルの受付係などと並んで、もちろんカジノのディーラーも含まれています。
現在、日本のIRでは、わずか3席をめぐって各自治体がしのぎを削っていますが、シンガポールクラスのカジノを3ヵ所運営するために、どのぐらいのカジノディーラーが必要になるのでしょうか?
シンガポールクラスのカジノ(テーブル数は約500台)を運営するために必要なディーラーの人数は、3台のテーブルを4名のディーラーが交代で対応することが一般的なので、8時間労働の週5日勤務で計算すると、テーブルがフルに稼働した場合、約2,800人が必要となります。
(500台÷3台×4人)÷(5日×7日)×(3ローテーション)=約2,800人
ちなみに、主要カジノのテーブル数は、下記となっていました。
※公表データをもとにしていますが、古いデータも混ざっていたので、おおよその目安として見てください。
<ラスベガス>
ベラッジオ 151台
ザ・ヴェネチアン 125台
ザ・パラッツォ 135台
MGMグランド 130台
<シンガポール>
マリーナベイ・サンズ 600台
リゾート・ワールド・セントーサ 500台
<マカオ>
ザ・ヴェネチアン・マカオ 570台
MGMマカオ 427台
シティ・オブ・ドリームズ 500台
現状の日本カジノの解禁方針は、シンガポールクラスのカジノが3ヵ所と噂されているので、2,800人×3ヵ所で、8,400人のディーラーが必要になる計算です。
上記の人数には、ディーラーを監督するピット・ボスやフロア・パーソンは含まれていないため、それらも加えると1万人規模。
カジノディーラーは、高いディーリング技術が求められることはもちろんのこと、英語は必須、中国からのお客様が多いことを考えると、できれば中国語が話せると理想的。
ディーリングができて、英語が話せて、最低限の中国語も話せて、かつ、高いホスピタリティ(おもてなし)精神を持ち合わせた人を1万人集める。
これ、不可能なのでは…
ディラーの仕事が、年収1,000万円を超えるような厚遇であれば別ですが、おそらく、一般客を相手にするマスゲーミングのディーラーの年収は500~600万円ぐらい?
となると、
現在、過度な労働者不足が叫ばれ、国会では外国人労働者の受け入れ問題で紛糾していますが、この記事を読んで、今後、急速にゲームの電子化が進み、ロボットディーラーの誕生もそう遠くないと感じました。
もちろん、人間のディーラーがいなくなることはあり得ないと思っていますが、日本カジノのスタートでは、一定数の二次元ディーラーのテーブルが存在しているかもしれないですね。
もしくは、外国人ディーラーを大量に輸入するという話もありますが。
※サムネイル画像は、zakzakより。