
日本ではジャンケットは認めない方針
ざっくり言うと
- ジャンケットとは、VIP客をカジノへ招いて、そのサポートする人
- マカオのジャンケットがピーク時の半分以下にまで減少
- 日本のカジノではジャンケットは認めない方針
参照記事
CAZYはこう思う

CAZY
カジノ&リゾート研究所
マカオのカジノ監理部門DICJによると、ジャンケットの事業者数は前年から9減の100(法人が9減の90、個人事業主が横ばいの10)で6年連続の減少。ピークだった2013年の事業者数(213)の半分以下にまで減少しているとのことです。
カジノ各社のIR資料を読む限りでは、ジャンケットへの手数料がカジノの収益を圧迫するため、ジャンケットに頼らず直接VIPを勧誘・接客するケースが増えているようです。結果、ジャンケット間の競争が激化し、淘汰が進んでいるんだと思います。
では、日本ではどうなるかという話ですが、政府の特定複合観光施設区域整備推進会議においては、日本のカジノではジャンケットは認めない方向で議論が進んでいます。
第7回(平成29年7月11日)配布資料:いわゆる「ジャンケット」について
◆我が国において、いわゆる「ジャンケット」を認めると、IR事業を遂行するため、IR事業者にのみカジノ事業を特別に容認するカジノ事業免許制度の趣旨を没却させることとなる。したがって、諸外国のように、「ジャンケット」という業の類型を設けることはしない。
◆ いわゆる「ジャンケット」が行っている行為については、これまで推進会議で整理した個別規制によって、我が国ではできないこととなっているか、又はカジノ管理委員会の管理の下に置かれることとなっている。
つまり、
・広告勧誘については、「何人」に対して虚偽・誇大な表示・説明等を禁止するとともに、広告勧誘業務を委託する場合は、カジノ管理委員会の認可が必要
・第三者による「コンプ」の提供の契約を行う場合は、カジノ管理委員会の認可が必要
・免許を受けたカジノ事業者以外がカジノ行為を行うことは禁止
・カジノ施設内では、カジノ事業者以外が貸付けを行うことは禁止
・カジノ事業者が顧客以外への貸付けを行うことは禁止
一方で、『カジノエージェントが見た天国と地獄』の著者で現役ジャンケットの尾嶋誠史氏は、本著の中で、ジャンケット抜きに日本カジノの成功は難しいと指摘されていました。
カジノとジャンケットを知り尽くした、尾嶋氏のコメントには納得しつつも、超保守的な日本政府がここから舵を切ってジャンケットを認める方向に進むとも考えづらい。
と言うことで、やっぱり日本カジノにはジャンケットの出番はなさそうですね。
少なくとも当面は。
※サムネイル画像は、「平成28年度 海外における特定複合観光施設に関する調査分析業務委託報告書」より。