「スポーツベッティングでは逮捕されない」ことはない

ざっくり言うと

  • スポーツベッティングに参加したことで有罪となった事例は一件もない
  • 過去に有罪事例がないから適法と考えるのは早計
  • 「違法だけど逮捕される可能性は低い」に過ぎない

今日もあるサイトで下記のような記載を見かけました。

『スポーツベッティングは、胴元が海外企業であるため、日本の法律で裁くことができません。そのため、スポーツベッティングに関しては合法とも違法とも言うことができず、日本でスポーツベッティングをしたとしても逮捕されることはありません。』

胴元を国内法で逮捕できないのは当然のこととして、国内から海外のスポーツベッティングに参加したプレイヤーに対して「逮捕されることはありません」と言い切って本当に大丈夫なの?

 

◆大前提として、オンラインカジノは違法と考えるべき

オンラインカジノは、平成25年の衆議院での答弁によって、その違法性が確認されています。ただし、これは裁判所ではなく政府としての見解であり、オンラインカジノが違法となる可能性を指摘しているに過ぎませんが、この答弁によって少なからず適法と言いきれないことは明らかです。

また、オンラインカジノとスポーツベッティングは厳密には異なりますが、賭博という点においては大差ありません。

<質問>
「日本国内から、インターネットを通じて、海外で開設されたインターネットのオンラインカジノに参加したり、インターネットで中継されている海外のカジノに参加することは、国内のインターネットカジノ店において参加する場合だけでなく、国内の自宅からインターネットを通じて参加する場合であっても、刑法第百八十五条の賭博罪に該当するという理解でよいか。」

<答弁>
「犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条の賭博罪が成立することがあるものと考えられる。」

衆議院議員階猛君提出賭博罪及び富くじ罪に関する質問に対する答弁書

 

◆有罪事例がないから適法と考えるのは早計

確かに、国内から海外のスポーツベッティングに参加したことで有罪となった事例は、これまで一件もありません。そのため、過去の有罪事例がないことを根拠にスポーツベッティングを適法と謳っているサイトは少なくありません。しかしながら、過去の有罪事例がないことは、その行為の適法性をなんら保証するものではありません。

 

◆「違法だけど逮捕される可能性は低い」に過ぎない

本件については、弁護士法人 淀屋橋・山上合同の増山健弁護士の解説が分かりやすいです。

<日本国内からアクセスした利用者は処罰されないのか?>

『サイト自体は海外で運営されていますが,日本国内にいる人が,海外送金等何らかの形で一定の金額を支出してそれを「賭けた」のですから,単純賭博罪や常習賭博罪の処罰対象となる可能性があることは確かです。(中略)結局,国内からのベッティングサイト利用者は,賭博罪で有罪判決まで受けるリスクが,全くないとは言えませんが,必ずしも可能性が高いわけではない,ということになります。』(増山健弁護士の見解)

オンラインのスポーツ・ベッティングの適法性と注意点

 

◆さいごに

結局のところ、逮捕される可能性は少ないものの適法ではない以上、スポーツベッティングに参加するには一定のリスクを伴います。

万一、単純賭博罪で逮捕されれば、50万円の以下の罰金または科料となり、運よく略式起訴となっても前科が付くことに変わりはありません。また、より刑の重い常習賭博罪とみなされれば、3年以下の懲役となります。

逮捕される可能性は低くても、一定のリスクがある以上、まともな社会人は近寄らないのが得策です。今の日本社会において、前科を乗り越えて成功するのは容易なことではありません。

どうしてもスポーツベッティングをやりたいなら、賭博罪は海外においては国内法の適用外とされていることから、海外への移住をおススメします。

くれぐれも、冒頭で紹介したような「スポーツベッティングで逮捕されることない」という記載を鵜呑みにすることのないように!