無観客レースで明暗が分かれる公営ギャンブル

ざっくり言うと

  • 無観客レースでの公営ギャンブルの売上は、レースの種類によって大きく結果が分かれる
  • 競馬は、中山、阪神、中京の3場で前年比12.6%減
  • 競艇「65周年記念」の最終日の売上は、前日比約25%減
  • 競輪は、前年同時期比約67%減

初の無観客レースとなった先週末の公営ギャンブル売上は、レースの種類によって大きく差がでたようです。


●善戦の競馬

スポーツ報知の報道によると、戦後初の無観客レースとなった2月29日の中央競馬の売上は、中山、阪神、中京の3場で178億4,353万円と前年比12.6%減となり、一方で電話・インターネット投票は、前年比22.1%増(32億3,182万円増)と大きく増加したそうです。


●苦戦のボート

東京スポーツの報道によると、無観客レース初日となった2月28日は、GIレースの「65周年記念」が開催され、全国13場でレースが行われています。多摩川で開催された「65周年記念」の売上は、前日27日が約9億5,289万円だったのに対して28日は約7億1,320万円と前日比で約25%減。本来なら優勝戦が行われる最終日が最も売り上げが期待できますが、無観客レースの影響を大きく受けています。一般戦が開催された福岡や大村も前日比で約30%減とのことです。


●大苦戦の競輪

スポーツニッポンの報道によると、通常なら50億円前後の売上が見込める記念競輪で、昨年の同時期(日曜最終日)の玉野記念の売上が53億7,558万円に対して、4日間無観客で行われた奈良記念は17億6,353万円と約67%減。決勝戦が行われる最終日に限定すると、玉野18億5,528万円に対して奈良6億2,437万円と約64%減とのことです。

 

◆ネット化の浸透度が鍵

2019年度の公営ギャンブルのネット売上比率は全体で58%、もっともネットへのシフトが進んでいるのが競馬の67%、もっとも進んでいないのが競輪42%となっています。


<公営ギャンブルのネット売上比率>

ネット比率の詳細は、過去記事:公営ギャンブルのネット比率を調べてみたを参照ください。

競馬は、既にその7割近くがネットにシフトしていたこともあり、また、ネットで馬券が購入できる「即パット」の駆け込みによる急増もあって、無観客レースの影響はそこまで大きなものではなかったようです。一方で、ネット化で遅れをとる競艇と競輪は、大きく売上を落としています。ただし、レースのネット売上は、出走する面子やレース場などの定性的要因によって大きく変動するため、今後の動向についてはもう少し状況を注視する必要があります。

一方で、コロナウイルス対策での無観客レースと窓口の閉鎖によって、今後、公営ギャンブルのネット比率は大きく向上することになりそうです。

 

◆さいごに

無観客レースや窓口の閉鎖などの物理的事情がことさら注目されていますが、それ以上にギャンブルファンのマインドの低下の方が深刻な問題なのかもしれません。新型コロナウイルスの先行きが見えない一方で、給与カットやリストラなどの不安は見え隠れしています。よっぽど潤沢な資産がなければ、安心してギャンブルができる状況ではありません。また、一旦、ギャンブルから離れたファンが、再開後に確実に戻ってきてくれる保証もありません。公営ギャンブルに限らずですが、ギャンブル業界は当面、厳しい道のりになりそうですね。