パチンコのイメージ失墜によって、カジノ誕生は遠のいたかも

ざっくり言うと

  • パチンコホールの自粛要請無視が社会問題に
  • パチンコ業界のイメージは大きく失墜したのでは
  • 日本カジノ誕生にとっても対岸の火事に非ず

政府の自粛要請を受けて、多くのパチンコホールが休業する中、一部のホールが要請を無視し営業を継続したことで、それが社会問題として大きくメディアに取り上げられています。

政府は、要請に従わないパチンコホールに対して、店名を公表するなどの強い措置の検討に入りました。現状の特措法24条は、協力の要請に留まる措置ですが、同法45条では正当な理由がなく応じない場合に法的履行義務が生じる「指示」を出すことができ、その際には特定都道府県知事はその旨を公表しなければならないとされています。

 

◆パチンコ業界団体は自粛要請を支持

4月18日、パチンコの業界団体である大阪府遊技業協同組合は、一部の交換所での特殊景品の交換を停止し、4月21日、全日遊連は、各都府県方面遊協に対して、あらためて自粛を促す文書を送付しています。

 

◆パチンコ⇒ギャンブル⇒カジノの負の連鎖

ギャンブル依存症を考える会の田中紀子代表は自身のブログで、自粛要請を無視する一部のホールの身勝手な行動を受けて、パチンコの存在意義すら否定しています。

「パチンコは多くの依存症者を生み出す産業。他業種とは責任の全く意味合いが違います。公共の福利を無視する店舗を存続させる必要があるのか?そもそも社会の危機に足並みを揃えられない産業になんの対策も打てない政府なら、この上、カジノなど絶対に任せられませんよね。」

新台入れ替えまで!自粛に応じぬパチンコ店に厳しい措置を・・・です

 

また、Real Economyが報じた記事によると、ベトナムで2店舗のカジノを展開するベガスベガスも自粛要請を無視した営業が問題となっているようです。ベガスベガスのカジノ運営が大きく報じられれば、少なからずカジノのイメージにも影響を及ぼしそうです。

「新型コロナウイルスの感染防止のためパチンコ店の全国チェーンや北海道の地場チェーンが相次いで休業に入った22日、開店しているパチンコ店に客が集中する事態になった。苫小牧市内では全16店舗のうち22日は6店舗が営業、とりわけ最大規模のベガスベガス苫小牧店には大勢の客が押し寄せ、駐車場は8割が埋まった。」

北海道で開店中の「ベガスベガス」にパチンコ客が集中

 

◆さいごに

脳科学者の茂木健一郎氏は、自身のTwitterで「お店のご事情もあるだろうし、お客さんにも言い分があるだろうけど、この状況での営業は世間のイメージを悪くするだけかもしれない」とツイートしていました。

自粛要請を無視するパチンコホール、そこに群がる自分本位のパチンカー。ただでさえ世間からの風当たりが強いギャンブル業界です。一連の報道でギャンブルのイメージが更に悪くなったことは容易に想像がつきます。これを機にパチンコ不要論が高まれば、日本カジノ誕生も対岸の火事ではすみません。

カジノ誘致には県議会(政令指定都市では市議会)の承認、すなわち民意の支持を必要とします。ギャンブル業界のイメージ悪化によって、ただでさえ難易度の高かった議会承認は、更に高い壁になってしまったように思います。

(※4月24日追記)

2020年4月24日、パチンコ業界メディアのグリーンべるとが報じた記事によると、東京都遊技業協同組合は、明日以降も営業を継続している店舗に対しては除名手続きを検討すると伝えたとのこと。

東京都遊協が最後通告、営業継続のパチンコ店には「除名手続き」を検討

『特に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて東京都から休業要請が出ている中、現在でも営業を継続している店舗に対しては、「これまでも再三にわたり、東京都知事からの休業要請について、お願いしてきたところですが、一般市民の不安感は頂点に達しており、公的融資の見込みがたった今、これ以上の営業継続は、協同組合の理念である相互扶助の精神に反すると見做すほかないと判断」したと通知した。その上で、「この件に関する都遊協の最後通告として、改めて都知事からの休業要請を受諾する決断をしていただきたく、お願い申し上げます」と協力を求め、明日(4月25日)以降も営業を継続している店舗に対しては、都遊協の定款に則り、「犯罪その他信用を失う行為をした組合員」に該当すると想定し、「除名手続きを検討する」とした。』(グリーンべるとより)

東京都遊技業協同組合は、全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)の下部組織です。業界の最有力組織からの除名は、パチンコ業界での死を意味するといっても過言ではありません。そして、除名をチラつかされれば、自粛せざるを得ないことは言うまでもありません。ただ、国民感情がここまでアンチパチンコに傾いてしまった今となっては、少し遅すぎる決断だったかもしれないですね。


(※4月25日追記)

大阪市の松井一郎市長は、自身のツイッターで、「今後、ギャンブル依存症対策を進める為にも、これまで既得権となってきたパチンコ業界のグレー規制を見直すべきです。国会議員団のみなさん、パチンコは遊戯では無くギャンブルと規定し必要な対策を議論して下さい」とツイート。

大阪府の吉村洋文知事は、自身のツイッターで、「緊急事態宣言下、行政の呼びかけも関係なくパチンコ店に押しかける。一律10万円配っても一緒。パチンコの依存症問題に正面から取り組むべき」とツイート。

パチンコホールのほとんどが休業する中、一部の身勝手なホールのせいで、パチンコの存在が危ぶまれる事態に発展するきざし。連日の報道でパチンコのイメージは、最悪のレベルまで失墜していることもあり、ついに動かざる山が動くかもしれないですね。