おそらく2件目、薬物乱用をあおった罪で男女2人を逮捕

ざっくり言うと

  • LINEで大麻の使用をあおったとして、麻薬特例法違反の疑いで2人逮捕
  • 麻薬特例法違反(あおり、唆し)での逮捕は、昨年12月に続いておそらく2回目
  • オンラインカジノにも同様の法整備が必要なのでは?

2020年9月15日、愛知県警は、無料通信アプリ「LINE」で大麻の使用をあおる書き込みをしたとして、麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで神奈川県相模原市在住の野呂良一容疑者と、東京都江戸川区在住の岡田真奈美容疑者(37)のふたりを逮捕しました。

メディアの報道によると、2人は、3月から5月にかけ、不特定多数の人が閲覧できる「LINE」のオープンチャット内で、大麻使用に関する情報を書き込み、閲覧者の薬物使用をあおった疑いがもたれています。また、2人は容疑を認めており、警察はふたりがチャットの参加者に大麻を販売していた可能性もあるとみて、詳しく調べているとのことです。

『岡田容疑者は「久しぶりに吸えて感動してます」「やっぱWeed上手いーっ」など、800回以上に渡り書き込みをしたとみられていて、約80人が閲覧したということです。書き込みが行われたチャットは現在は削除されています。』(名古屋テレビ)

動画のニュースはこちら

 

◆わずか3日で3件目<9月18日追記>

2020年9月18日、朝日新聞デジタルなどが報じた記事によると、またしても愛知県警が21歳の男子大学生を麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで書類送検しました。

書類送検された大学生は、去年11月、SNSに隠語を使って「1グラム3万5,000円で覚醒剤を販売する」という内容の書き込みを投稿し、覚醒剤の使用をあおった疑いが持たれています。一方で捜査で見つかったのは、覚醒剤ではなく氷砂糖やハッカ、小麦粉などで作った偽物だったとのことです。

「SNSで覚醒剤の購入を呼びかけたとして、愛知県警は県内の20代男子大学生を麻薬特例法違反(あおり、そそのかし)の疑いで18日にも書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。購入希望者には覚醒剤と色や形状が似た「氷砂糖」を送っていたとみられる。送検容疑は昨年11月ごろ、SNS上に覚醒剤を示す隠語や価格など、覚醒剤の購入をそそのかす投稿をしたというもの。」(朝日新聞デジタルより)

実際に覚醒剤を売らなくても罪を問われることになった本件、愛知県警の本気度が伝わってくるとともに、麻薬の取り締まりが新たなフェーズに入ったことを感じさせます。

 

◆あおりだけで逮捕される麻薬特例法とは?

平成4年7月1日に施行された麻薬特例法は、麻薬による不正行為が行われる要因を国際的に除去することを目的としており、規制薬物をあおったり、そそのかしたりすることへの罰則が明記されています。

第九条(あおり又は唆し)
「薬物犯罪(前条(規制薬物としての物品の輸入等)及びこの条の罪を除く。)、第六条(薬物犯罪収益等隠匿)の罪若しくは第七条(薬物犯罪収益等収受)の罪を実行すること又は、規制薬物を濫用することを、公然、あおり、又は唆した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

◆あおりでの初の逮捕は2019年12月

麻薬特例法違反での初逮捕は、2019年12月10日、メキシコにある自身のサイトで薬物乱用をあおる記事や動画を日本語で公開して逮捕された事件。

『外国で薬物使用あおり疑い、逮捕』(共同通信)

「広島県警は9日、メキシコで自身が運営するインターネットサイト上で薬物使用や薬物犯罪をあおる記事や動画を日本語で公開したとして、麻薬特例法違反(あおり、そそのかし)の疑いで、東京都江東区枝川3丁目の自営業岸上馨容疑者(29)を再逮捕した。県警によると、薬物使用をあおった容疑で国外犯規定を適用し、逮捕したのは全国初。」(共同通信)

具体的には、「誰でも簡単 お家でインドア栽培」「マリファナ喫煙体験レビュー」といった記事や動画を自身のサイトに日本語で掲載し、規制薬物の乱用をあおった疑いでの逮捕です。

 

◆変わる風向き

前回の逮捕では警察の手が海外にまで及び、今回の逮捕ではたいして閲覧数のない身近なSNSが逮捕の対象となりました。警察の本気度がひしひしと伝わってきます。

「マリファナ」や「大麻」をYouTubeで検索をすると、やってみた系の動画がたくさんアップされており、中には、大麻は合法と謎理論を展開するYouTuberもいるぐらいです。これまで勝手な解釈で安心しきっていたであろうYouTuberの面々は、震えて眠ることになりそうです。

 

◆さいごに

最新の警察白書によると、平成30年の大麻事犯検挙人員は3,578人と若年層を中心に平成26年以降増加が続き、過去最多となった前年を大幅に更新しました。

さらに、2020年9月18日、警察庁の発表によると、今年上半期(1~6月)の大麻検挙人数は2,261人で、過去最多だった昨年同期の2,078人を上回っています。


薬物事犯全体及び大麻事犯の検挙人員の推移(出典:警察庁

 

大麻は、大麻取締法での逮捕を補完すべく、平成4年7月1日に麻薬特例法が施行され、あおりや唆し(そそのかし)も逮捕対象になることが法文化されました。

一方で、オンラインカジノは、勝手な解釈でグレーと考えている人が多いようで、ネットで検索すると山ほどのオンラインカジノとアフィリエイトサイトがヒットします。

ギャンブルを違法とする日本の刑法を素直に受け止めれば、オンラインカジノは違法と考えるのが一般的な解釈ですが、なぜか警察は、放置?黙認?している状況です。

日本カジノ誕生のカウントダウンが始まった今、オンラインカジノについても、大麻同様の特例法が必要なのでは?

カジノ推進派は、雇用促進、地方創生を旗印にカジノ誘致に躍起ですが、オンラインカジノが拡がれば、本来、国や地方自治体に落ちるはずのカジノ税が海外に流出し、日本には還元されないことになってしまいます。

菅新総理には、大ごとになる前に、手を打っていただきたい事案かと思います。


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