改正toto法可決、成功を望むなら政府は早急な止血を

ざっくり言うと

  • 2020年12月2日、改正スポーツ振興投票法が参院本会議で可決
  • サッカーのみだったtotoにバスケットボールを追加
  • 「単一試合の投票」と「Jリーグ年間順位予想」も解禁
  • 海外ブックメーカーの利用を禁止しなければ、成功は難しい

2020年12月2日、改正スポーツ振興投票法(いわゆるtoto法)が参院本会議で可決し、これまではJリーグなど国内外のサッカーが対象だったスポーツ振興くじ(愛称toto、BIG)にバスケットボールのBリーグが加わり、また、1試合のみの点数や勝敗、リーグ戦やトーナメント戦のチーム順位を予想する商品の販売が可能となります。バスケくじは2022年に販売が始まる見通しとなっています。

「単一試合の投票」、「Jリーグ年間順位予想」については、こちらで詳しく書いています。

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◆サッカーファンは見向きもしなかったtoto

従来のtotoは、サーカーの試合結果を予想して賭けることができますが、贔屓のチームだけに賭けることも、長期的なシーズンの結果を予想して賭けることもできません。また、BIG、MEGA BIGに至っては完全に運任せで、宝くじの当たり番号を決める手段にサッカーを利用しているにすぎません。

そのため、贔屓のチームを応援したいサッカーファンがtotoを買うことはあまりなく、スポーツくじ売上の約9割を運任せのBIGが占めています。また、平成18年9月にBIGを開始したことで、スポーツくじの売上は1,000億円レベルまで成長しました。


サッカーくじ売上の推移(出典:JAPAN SPORT COUNCIL

 


平成30年度サッカーくじ売上の内訳(出典:JAPAN SPORT COUNCIL

 

◆「控除率50%のtoto」 VS.「5%の海外ブックメーカー」

スポーツ振興くじ(toto、BIG)は、全投票券の販売額から主催者収入として所定の割合(控除率)を差し引き、残りを当せん者で分配するパリミチュエル方式が採用されています。また、その控除率は50%と非常に高く設定されており、投票券の売上が10億円あったとしても当せん金の総額は5億円しかありません。

一方で、スポーツベッティングの胴元となるブックメーカーは、当せん金の配当に固定オッズ方式(ブックメーカー方式)を採用しており、賭けた時点でのオッズがそのまま払戻金の倍率となります。そのため、決まった控除率はなく、一般に5~10%程度と言われています。

控除率50%と控除率5%では、当せん金に約2倍の開きがあります。同じ1万円を賭けて5万円になるギャンブルと、当せん確率は同じで10万円になるギャンブルがあった場合、前者を選択するギャンブラーは皆無です。

 

◆日本からの海外ブックメーカーでの賭けは違法なのだが…

これまでに、スポーツベッティングに参加したことで有罪となった事例は一件もありません。過去の有罪事例がないことは、その行為の適法性をなんら保証するものではありませんが、法文上は違法であっても、実際に取り締まらないのであれば、その法文には何の効力も期待できません。

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このような状況の中、日本のスポーツベッティング市場は、急速に拡大しており、世界の大手ブックメーカーの多くが日本人をターゲットにした日本語のサイトを開設し、多くの日本人ギャンブルファンがスポーツベッティングを合法と誤認して、日々違法ギャンブルに興じています。

政府がtotoにバスケットや、単一試合の投票・年間順位予想などの魅力的なコンテンツをいくら提供しようとも、海外ブックメーカーに流出する賭け金を止めないことには、日本のスポーツくじが成功することは難しいと考えざるを得ません。

 

◆さいごに

最近、お仕事でギャンブルの市場調査をやっているのですが、若者を中心にオンラインギャンブルが広く受け入れられている現状に驚かされます。公表された数字こそありませんが、日本のオンラインギャンブルは急速に拡大しています。

政府が本気でオンラインギャンブルを排除したいのであれば、法令に則って、海外オンラインカジノやブックメーカーへのアクセスを遮断するぐらいのことをやるべきだと思っています。
既成事実ができあがる前に。

もしくは、取り締まらないのであれば、遊んでも大丈夫と言ってほしいです。必死に我慢している自身があほらしくなります。