交通インフラへの投資は地方自治体の責務では?

ざっくり言うと

  • 夢洲までの地下鉄延伸費用の一部(200億円)をIR事業者に負担させる話
  • IR事業者はいずれも「200億円の費用負担」に前向きな姿勢とのこと
  • 足元を見られすぎるのもいかがなものかと

参照記事

参照メディア MBS NEWS

CAZYはこう思う

CAZY
カジノ&リゾート研究所

大阪IRの候補地で、万博の開催地でもある夢洲までの地下鉄延伸の費用(約540億円)の一部(200億円)をIR事業者に負担させようとしている話。

「受益者である民間事業者に負担を求めていくべきだと考えています」
(大阪市 吉村洋文市長・11月29日)

本記事では、取材したIR事業者はいずれも「200億円の費用負担」に前向きな姿勢を示しているとのこと。

「IRがそこで事業させていただく一つの恩返しとしては、地域にそういった形で貢献するのは非常に重要だと思ってる。我々は前向きに受け止めています」
(ギャラクシーエンターテインメントジャパン 岡部智総支配人)

「200億円、地域コミュニティーの一員になる上でも喜んで投資させていただきたいと思っています」
(メルコリゾーツ&エンターテインメントジャパン 白男川亜子日本オフィス社長)

「MGMはインフラ開発を支援する費用を準備しています。大勢の人々を夢洲まで連れてくることが非常に重要なので」
(日本MGMリゾーツ エド・バワーズCEO)

本記事に本命の一角ラスベガスサンズ社の名前がないのは、偶然なのか、あえて取り上げていないのかは不明ではあります。

ラスベガスサンズ社は、5月の段階では、開発資金には限界があるとして、公共インフラは公費でまかなわれるべきと牽制していました。

「インフラの整備費は、後にシンガポール政府から返却された」
「事業者の予算には限界があり、公共インフラは公の資金でまかなわれるべきだ」
(マリーナベイ・サンズ ジョージ・タナシェビッチ社長)
<産経新聞>IR事業者VS大阪府市、誘致めぐってバトル勃発 交通整備費負担めぐり

しかしながら、今朝のニュースでは、態度は一変とはいえないまでも、微妙なスタンスに変わっていました。競合社の大盤振る舞いを見て、さすがにまずいと思ったのかどうかは不明ですが。

「IRを作るには非常に高い投資が必要。我々は政府から課せられる役割を果たしたい」
(ラスベガス・サンズ ロバート・ゴールドスティン社長)
<MBS>カジノ大手業者が府市を表敬訪問 大阪万博決定後初めて


ちなみに、CAZYも交通インフラは、以前のサンズ社同様に自治体が負担すべきだと思っています。

そもそも、地方自治体にはカジノ売上の15%がカジノ税として納められます。カジノ事業者は、設備やコンテンツの充実、あと希望としてはハウスエッジを下げるなど、カジノ売上を増やすことに注力いただき、そのための交通インフラの整備は地方自治体が支援する。
カジノ事業者にはしっかり本業で稼いでもらって、より多くを納税していただく。
これが本来のあるべき姿なのかと。

カジノ事業者が負担した交通インフラの費用は、最終的にはホテルやエンタメチケットの料金に反映され、マリーナベイ・サンズのようにルーレットに「000(トリプルゼロ)」が登場する(ハウスエッジが上がる)なんてことになっては、カジノファンにとっては悲劇でしかありません。

交通インフラの整備が地方自治体の責務であることは、11月21日の『日経 統合型リゾートフォーラム』でのパネルディスカッション「日本版IRが呼び込む投資と経済波及効果」の中で、IR議連の現事務局長 萩生田光一 衆議院議員も指摘されていたと思います。

余談ですが、IR議連の現幹事長 岩屋氏が防衛大臣に就任されたことで、次期幹事長は萩生田氏になると、セミナーの中で紹介されていました。萩生田先生には期待しています!

カジノ事業者が大阪に参入したい気持ちもわかりますが、足元を見られすぎるのもいかがなものかと。