ヤフースポーツとMGMがスポーツベット領域で提携(アメリカ)

ざっくり言うと

  • ヤフースポーツがMGMのデジタルメディアパートナーに
  • MGMがヤフースポーツユーザーへの独占的なアクセス権を取得
  • 米国の主要プロスポーツリーグは、この提携に好意的

日本では、ヤフーとLINEの経営統合の話で持ちきりですが、CAZY的にはこちらの提携もかなり興味深く、また、日本ではほとんど報じられなかったニュースにつきご紹介です。

2019年10月29日、ヤフースポーツとMGMは、スポーツベッティングに関して、独占的なパートナーシップを締結したことを発表しました。 この提携は、ビッグニュースとして海外の複数のメディアが報じていました。

<yahoo! sports>
Yahoo Sports, BetMGM enter historic partnership in sports betting

<CASINO NEWS daily>
MGM, Yahoo Sports Announce Exclusive Sports Betting Partnership


◆提携の概要

この提携では、ヤフースポーツがMGMのデジタルメディアパートナーになり、MGMが昨年公開したスポーツベッティング・プラットフォームBetMGMとヤフースポーツの一部が統合されます。また、MGMがヤフースポーツユーザーへの独占的なアクセス権を取得し、他の競合を広告から排除することにまで及びます。

ヤフーの親会社となるVerizon MediaのCEO Guru Gowrappan氏は、「Yahoo SportsとBetMGMの歴史的なパートナーシップは、スポーツファンが築いている世界の未来を変え、ファンがスポーツベッティングを通じてエンゲージメントやインタラクションを高める新しい方法を提供する」と述べています。

◆提携の背景

この提携の背景にあるのは、昨年、米国最高裁判所がスポーツギャンブルの禁止を覆し、スポーツベッティングを合法とするかどうかを個々の州の決定に委ねたことによります。この方針転換は、スポーツとギャンブルの垣根が実質的に崩壊したことを意味します。

また、MGMは、これまでのマーケティング活動を通じて大規模な顧客データベースを構築していますが、このデータベースはスポーツベッティングの初期ユーザーとなった若い男性のデータが大きく欠落しています。そこで、MGMはヤフースポーツと提携することで、この穴を埋めることを目論んでいるようです。

ある調査によると、ヤフースポーツのメインコンテンツのひとつ、仮想スポーツゲーム ファンタジー・スポーツのユーザーは、MGMデータベースの平均的な顧客よりもスポーツベッティングに参加する傾向が強かったとのことです。

 

◆具体的な提携の内容

当事者から今回の提携の詳細は発表されていませんが、Sports Business Dailyが独自の取材によって、その内容を明かしています。

月間6,000万人のユーザーを誇るヤフースポーツは、その圧倒的なメディアパワーを利用して、ユーザーをBetMGMに誘導し、BetMGMはヤフースポーツにオッズなどのスポーツベッティングのコンテンツを提供します。また、ヤフースポーツから数クリックでBetMGMにリンクし、スポーツベッティングに参加できるようになるとのことです。

ヤフースポーツは、BetMGMのいわゆるアフィリエイトとして機能し、賭けそのものはBetMGM内で行われ、ヤフースポーツが賭けの胴元になるわけではありません。ただし、情報筋によると、アフィリエイトの範囲は、単なるヤフースポーツからBetMGMへの顧客の誘導にとどまらず、ヤフースポーツから紹介された顧客から得た収益の一部をMGMがヤフースポーツに提供する話もあるようです。

ただし、この仕組みは、スポーツベッティングが合法で、かつ、BetMGMの使用が認められた州に限定して行われ、それ以外の州では、ヤフースポーツとMGMがパートナーシップの一環として開発する無料のゲームやコンテンツのみが提供されます。

現時点では、BetMGMはネバダ州ニュージャージー州でのみで利用可能ですが、ウェストバージニア州インディアナ州なども導入の検討が進んでいるとのことです。また、今後、米国でのスポーツベッティング解禁のながれに乗って、その活躍の場を拡げていくことが見込まれています。



◆提携へのスポーツリーグの反応は?

MGMは、米国の3つの主要なプロスポーツリーグ、MLB(野球)NBA(バスケットボール)NHL(アイスホッケー)と提携しています。これらのスポーツリーグは、すでにファンがスポーツベッティングを楽しむことを受け入れており、今回のMGMとヤフースポーツとの提携がファンに利益をもたらすことになると好意的に受け止めています。

 

◆提携のさらなる側面

今回の提携では、ヤフースポーツがMGMのデジタルメディアパートナーになることが最大のポイントとなりますが、逆のベクトルが存在することも見落とせません。

ヤフースポーツのメインコンテンツのひとつ ファンタジー・スポーツは、プレイヤーがゼネラルマネージャーになって、現実の試合で活躍する選手を使って架空のチームを作り、他のプレイヤーとスコアを競い合うゲームです。選手のデータは、スポーツ結果などの現実の統計データをもとに設計されており、野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、オートレースなど、豊富なスポーツ種目に対応しています。

今回の提携は、ヤフースポーツのユーザーに現実のスポーツに賭ける場を提供するだけにとどまらず、将来的にeスポーツが賭けの主戦場に躍り出る可能性をも感じさせます。

 

◆さいごに

現時点では、日本にカジノが誕生しても、スポーツベッティングもオンラインカジノも認めない方針です。残念ながら、世界のゲーミングのトレンドへの周回遅れ感は否めないのですが、一方で、一周回って海外からのオンラインカジノへのアクセスを遮断する動きも活発になってきています。
ということで、本気で海外への移住を考え始めている今日この頃です。