クレジットカードでのギャンブル禁止スタート(イギリス)

ざっくり言うと

  • 世界屈指のギャンブル大国であり、ギャンブル先進国のイギリス
  • イギリス政府は、クレジットカードを利用したギャンブルを禁止に
  • 禁止範囲は、店頭販売の宝くじを除くすべてのオンライン・オフライン賭博が対象

2020年4月15日更新

イギリスは、2018年の1年間にギャンブルをした成人が54%(宝くじを除くと40%)と、世界屈指のギャンブル大国であり、ギャンブル先進国でもあります。

2019年1月14日、そのギャンブル大国イギリスにおいて、政府と賭博委員会(UKGC)は、クレジットカードを利用したギャンブルを禁止する新規則を4月14日から適用すると発表していましたが予定通り、4月14日に新規則が適用されました。


賭博委員会の最高経営責任者 ニール・マッカーサー氏は、「消費者が借金をしてギャンブルをすることによるリスクを最小限に抑えるべき」と指摘します。

この禁止措置は、ギャンブル依存症対策とギャンブラーの債務拡大防止を目的としており、その禁止範囲は、店頭販売の宝くじを除くすべてのオンライン・オフライン賭博を対象としています。


◆ギャンブル大国イギリス

賭博委員会によると、イギリス成人の2,400万人がギャンブルをしており、このうち約1,050万人がオンラインギャンブルにも参加していると予想しています。賭博委員会の調査では、クレジットカードを利用するオンラインギャンブラーの22%が「問題ある賭博者」に分類されるとしています。

そのような背景の中、クレジットカードの利用を禁止する今回の決定は、イギリス政府のギャンブル依存症対策への強い意気込みと本気度がまざまざと伝わってきます。

過去記事:25~34歳男性の27%がオンラインギャンブルに参加(イギリス)


◆あまり効果は期待できないとする声も

一方で、クレジットカードを禁止しても、望ましい効果が得られず、保護すべき人を保護できないとする声も少なくないようです。そもそもクレジットカードでギャンブルをするような人は、あの手この手でギャンブルすることを試み、クレジットカードだけを禁止してもギャンブルを止めさせることはできないと指摘します。例えば、プリペイドデビットカードにクレジットカードで簡単に入金でき、そのデビットカードはギャンブルに使用できます。

 

◆存在感を増し続ける日本のオンラインギャンブル

日本にはオンラインカジノやオンラインスポーツベッティングこそありませんが、公営ギャンブルのネット投票の普及によって、急速にオンライン化が進んでいます。また、スマホゲームを舞台にした一部のガチャも著しく射幸心をあおっている点では、ギャンブル要素の強いものとなっています。

宝くじを除く公営ギャンブルのネット比率は既に約6割を占めるまでに成長しており、もっとも高い競馬が67%、もっとも低い競輪でも42%となっています。一方で、宝くじは、2018年10月にネット販売を全面解禁しましたが、対象期間が短かったこともあり2018年のネット比率は8%にとどまっています。

過去記事:公営ギャンブルのネット比率を調べてみた

 

◆さいごに

今回のイギリス政府の決定には、正直、かなり衝撃を受けました。
日本政府もギャンブル依存症対策に本気で向き合うなら、依存症を保険適用にするといった受け身の対策ではなく、依存症そのものを根絶させるような骨太の対策が必要だと感じました。また、それを政府が本気でやろうと思えば、実行可能であることも知りました。

今回のイギリスの英断から学ぶことは大きいですね。イギリスだけに。