カジノに押し寄せる従業員レイオフ(一時解雇)の波

ざっくり言うと

  • ここにきて、カジノスタッフのレイオフ(一時解雇)が加速
  • アトランティックシティの9つのカジノは、ほぼすべてのスタッフを一時解雇
  • シーザーズ・エンターテインメント社も、約3,200人のカジノスタッフを一時解雇

新型コロナウイルスは、3月31日時点で感染者786,228人、死者37,820人となり、世界各地で加速度的な拡がりを見せています。


3月31日時点:新型コロナウイルスの伝染状況確認マップ(ジョンズ・ホプキンス大学


◆カジノスタッフのレイオフ(一時解雇)が加速

カジノ閉鎖が長期化するにつれて、レイオフ(一時解雇)の文字を目にする機会が増えています。

アトランティックシティの9つのカジノは、ほぼすべてのスタッフを一時解雇しました。ネバダ州のシーザーズ・エンターテインメント社も、約3,200人のカジノスタッフを一時解雇するとネバダ州の雇用部門に通知しています。いずれも雇用再開の目処は未定としています。

アトランティックシティのカジノは、コロナウイルスの危機の中で大量レイオフを発表(3月27日)
Atlantic City Casinos Announce Mass Layoffs amid Coronavirus Crisis

シーザーズ社は、新型コロナウイルスでカジノを閉鎖する数日前に大量レイオフを発表(3月29日)
Caesars Announced Mass Layoffs Days Before Coronavirus Casino Closures

 

◆そもそも、レイオフ(一時解雇)とは?

レイオフ(一時解雇)とは、企業の業績が悪化した際に人件費の抑制を目的として、業績が回復するまでの間、労働者を一時的に解雇することです。

レイオフは、長年培ってきた労働者の経験やスキル、ノウハウの流出を防ぐことを主目的としており、再雇用が前提になります。ただし、レイオフ(一時解雇)であっても業績が回復しなければ、再雇用されないこともあります。

一見、非情とも思われるレイオフですが、元スタッフは一時解雇されることで失業手当を申請でき、当面の生活は補償されることになります。

 

◆シルク・ドゥ・ソレイユもスタッフの95%を一時解雇

2020年3月19日、日本でも人気のシルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)が、新型コロナウイルスの感染拡大による相次ぐ公演中止を受けて、全スタッフの95%に当たる4,679人を一時解雇すると発表しました。ただし、今後のチケット販売は継続しており、新型コロナウイルスが沈静化したら、公演を再開するとしています。

 

◆日本でもレイオフは進む?

日本は、解雇が最も難しい国のひとつと言われます。レイオフ(一時解雇)と言っても、それは解雇に他ならず、労働者保護の強い日本では、なかなか受け入れられない制度となっています。

改正労働契約法 第16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

一方で、日本では類似した制度に一時帰休があります。一時帰休は、業績悪化などの会社都合により業務を縮小する際に、労働者の雇用を維持したまま休業させることができます。しかしながら、一時帰休では、使用者に平均賃金の60%以上の手当(休業手当)を労働者に支払うことを義務付けており、使用者の負担が大きい制度となっています。

 

◆さいごに

アメリカでは、カジノ業界に限らずあらゆる業界でレイオフが加速しており、アメリカの1週間の失業保険の申請件数は前週比10倍以上となる328万件に急増し、過去最高となっています。

<4月2日追記>
米労働省が2日発表した新規の失業保険申請件数は、3月28日までの1週間で664万8,000件で、過去最高だった前週からさらに4.6倍の急増となっています。

日本では、補償なき自粛要請が問題視されていますが、未曽有の危機的状況においては、早急な政府のサポートに期待したいところです。