週ごとのオンラインカジノへの入金額を制限(スウェーデン)

ざっくり言うと

  • スウェーデン政府は、オンラインカジノプレーヤーの週単位での入金額に上限を設定
  • この制限により、週に5,000クローネ(約81,000円)を超える入金は不可
  • 無免許のオフショアサイトでのプレイを奨励することにもなりかねない

2020年6月11日、スウェーデン政府が、新型コロナウイルスの被害が拡大する中、ギャンブルから国民を保護することを目的に、オンラインカジノプレーヤーの週単位での入金額に上限を設けたことを複数のメディアが報じています。

この制限は、オンラインカジノとオンラインスロットに適用され、7月2日から2020年末までの一時的な措置となります。

Swedish Government OKs Weekly Online Casino Deposit Limit
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Gambling operators vs the Swedish Government: A battle of wills


この制限によって、スウェーデンのプレイヤーは、スウェーデンの正当なライセンスを取得しているオンラインカジノで、週に5,000クローネ(約81,000円)を超える入金ができなくなります。また、プレイヤーがプレイ時間に自ら制限を設けることも義務付けられます。加えて、事業者には、サインアップボーナスに100クローネ(約1,600円)の上限が設けられます。

 

◆正規のカジノ事業者や規制当局は政府の対策を批判

Betsson、Kindred Group、LeoVegasなど、スウェーデン市場をリードする多くのオンラインカジノ事業者が、この措置に反対の声を上げています。

スウェーデンで正規のライセンスを取得している事業者は、今回の措置がスウェーデン当局による監視、規制、罰則の対象にならない無免許のオフショアサイトでのプレイを奨励しており、深刻な被害をもたらす可能性があると主張しています。

スウェーデンのオンラインギャンブル業界団体Branschföreningen för Onlinespel (BOS)は、この市場をより良く規制し、プレイヤーを保護するとされる7つの事実に基づく代替措置を提案しています。具体的には、事業者に顧客のギャンブル行動に関する匿名化されたデータを定期的に規制当局に報告するなどの対策で、顧客も事業者間でのデータ収集や共有から大きな恩恵を受けることができるとしています。

また、スウェーデンのギャンブル規制当局も、この措置に反対の声を上げています。規制当局の発表によると、コロナ禍の中で、3月の売上は前年同月比6%減、4月の売上は5%減と、売上は増加しておらずギャンブルの被害が拡大していないこと、また、7月2日までに事業者が新しいルールに適応するための十分な時間がないことが理由とされています。

加えて、政府の当初案では、スポーツベッティングにも週ごとの入金上限を設ける予定でしたが、政府と関係の深いスポーツベッティングが除外されたことも批判の対象となっています。

 

◆さいごに

スウェーデン賭博監督庁は、今回、新たに10社のオンラインカジノ事業者に対して、スウェーデンからの撤退を命じています。これで、スウェーデン市場からの撤退を命じられたオンラインカジノ事業者は、昨年から21社となります。

これらの事業者は、キュラソー、キプロス、マルタなどのカジノライセンスで事業を行っています。スウェーデン人にサービスを提供するための合法的なライセンスを持っていないにもかかわらず、スウェーデン語でのサービスの提供、スウェーデン通貨(クローネ)での入出金、スウェーデン人を対象にしたマーケティング活動を行っています。

スウェーデン賭博監督庁の対策にはステップが設けられており、最初に警告が発せられ、次に罰金、そして問題が改善されない場合は警察が関与することになります。また、規制当局は、事業に関連する取引を処理する決済プロバイダーをブロックすることを裁判所に要求する権利を持っています。

今回、スウェーデンからの撤退を命じられた10社のオンラインカジノ事業者は、合計で45ブランドのオンラインカジノを閉じる必要があります。

一方で、日本は、オンラインカジノを違法としながらも、何の対策もできていないのが実状です。日本は、海外のギャンブル先進国に倣って、すみやかにオンラインカジノ対策に乗り出すべきなのでは。

手遅れになる前に。


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