違法ギャンブル撲滅キャンペーンで3兆5,000億円を押収(中国)

ざっくり言うと

  • 中国での違法ギャンブルの市場規模は、年間推定1兆元(15兆1,500億円)
  • 中国公安部は、2月28日より違法ギャンブルの撲滅キャンペーンを実施
  • 4ヵ月間で11,500人以上を検挙、2,290億元(約3兆4,694億円)を押収

2020年6月22日、中国公安部が違法な国境を越えたギャンブルと関連犯罪撲滅に関するキャンペーン(以下、撲滅キャンペーン)で大きな成果を上げたことを複数のメディアが報じています。

・Chinese ministry confiscates $32.4bn from cross-border gambling operations
・China claims success in combating cross-border gambling operations


2019年7月、国営通信社の新華社によると、中国人はVPN(仮想ネットワーク)などを使ってギャンブルサイトにアクセスし、地下銀行ネットワークを使って入出金を行い、年間推定1兆元(15兆1,500億円)の違法ギャンブルを行っているとされています。これは、国営宝くじ売上のほぼ2倍となる金額です。

中国公安部によると、撲滅キャンペーンは2月28日にスタートし、これまでの4ヵ月間で11,500人以上を検挙、2,290億元(約3兆4,694億円)の違法ギャンブル収益を押収したと発表しています。

撲滅キャンペーンの特徴は、ギャンブル事業者に加えて、技術支援、ギャンブル資金の支払い支援、通信詐欺、マネーロンダリング、誘拐、誘拐、人身売買、人身密輸などの関連犯罪も摘発対象としています。

例えば、6月初旬には、江蘇省の警察が、マカオの代理ギャンブル事業者を摘発しています。いわゆるテレベッティングで、ランドカジノのVIPルームに拠点を置くエージェントが、中国本土の顧客に代わって電話で約1億8,340万ドル(約198億円)の賭けを行っていたとされています。このグループのリーダーは、既に懲役16年の実刑判決を受けています。

中国公安部は、撲滅キャンペーンの結果、2月以降にギャンブルプラットフォーム368件、犯罪グループ148件、地下銀行187件を摘発し、257件を起訴したと発表しました。また、本摘発で27,000以上の口座を閉鎖しています。

 

◆金融機関も撲滅キャンペーンに積極的に参加

中国人民銀行は、中国人が海外のオンラインギャンブルサイトへの入金を手助けする決済事業者を取り締まると発表し、中国金融大手の銀聯は、オンラインギャンブル、通信詐欺、違法融資などの違法行為の兆候がないか、顧客の行動をより厳しく監視するよう加盟機関に警告しています。

2020年6月10日、厦門(アモイ)警察は、国際的なギャンブルサイトに支払い処理を提供した疑いのある組織を摘発し、146人を逮捕しています。この組織は、不特定期間に62.3億元(約944億円)に相当する不正な決済取引を行っていたとされています。

具体的には、ギャンブラーが自身のアカウントに入金したい場合、ギャンブルサイトは顧客の情報を違法決済事業者に送信し、そこでオンラインレンタカーサービスなどの偽の請求書が作成されます。この請求書は、QRコードとしてギャンブルサイトに返送され、ギャンブラーはそのQRコードで決済を行うことで自身のアカウントへの入金が完了します。決済事業者は、このサービスに対して1~4%の手数料を受け取っていたとのことです。

 

◆通報者には多額の報奨金

中国公安部は、6月初旬、試験的に違法ギャンブルの密告プラットフォームを立ち上げ、有益な情報を提供した人には、報奨金を提供するとして、国民の支持を募っています。

中国吉林省の場合、違法ギャンブルに関与していると疑われる近隣住民を通報することで、最高5万元(約76万円)の報奨金が支払われます。同省公安部は今週、国際的なギャンブル犯罪摘発の手がかりを報告した市民に、最高額の報奨金を支払うことになったと発表しています。

 

◆さいごに

この手の記事で「兆」が出るのは本当に稀です。
何ごともスケールの大きい中国ですが、違法ギャンブルの市場規模が15兆円、わずか4ヵ月の撲滅キャンペーンでの押収額が3兆5,000億円と、とにかくため息しか出ません。