またまた大型買収、カジノの主戦場はオンラインにシフト

ざっくり言うと

  • MGMによる大手ブックメーカーのエンテインの買収提案が報じられる
  • シーザーズのウィリアム・ヒル買収もゴールまであと一歩
  • 日本カジノは、大幅な舵取りの変更が求められているのでは

2021年1月3日、昨年のシーザーズによるウィリアム・ヒルの買収、FlutterによるThe Stars Groupの買収に続いて、MGMリゾーツ・インターナショナルによるエンテインの買収が進んでいることが報じられています。エンテインは、MGMリゾーツ・インターナショナルのオンライン事業 BetMGM を合弁で運営しているブックメーカー。

『米カジノ運営のMGMリゾーツ・インターナショナルは、オンラインカジノなどを運営する英エンテインの買収を目指している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが3日、関係筋の話として報じた。エンテインはブックメーカー(賭け屋)のラドブロークスを傘下に持つ。WSJによると、MGMは、先に提示した現金約100億ドルでの買収案が拒否されたことを受け、最近新たな提案を行った。新たな提案の規模などの詳細は明らかではないが、MGMが昨年終盤に提示した1株当たり12.85ポンド(17.55ドル)を上回る内容だという。』(ロイター)

米カジノ運営MGM、英エンテイン買収目指す

 

◆シーザーズのウィリアム・ヒル買収もゴールまであと一歩

2020年9月30日、シーザーズ・エンタテインメントは、英ブックメーカーのウィリアム・ヒルを29億ポンド(4,060億円)で買収することで合意しました。

『米カジノ運営のシーザーズ・エンタテインメントは30日、英ブックメーカー(賭け業者)のウィリアム・ヒルを29億ポンド(37億ドル)で買収することで合意した。急成長している米国のスポーツ賭博市場での事業拡大を図る。シーザーズは、1,400以上の英賭博店舗を含むウィリアム・ヒルの非米国事業を売却する方針。米国事業はほとんど雇用削減なしに自社と統合するとしている。(中略)買収価格はウィリアム・ヒル株1株当たり272ペンス。同株は直近で0.15%安の273.85ペンス。シーザーズは一部資金を17億ドル分の新株発行で賄う。シーザーズは今回の買収で、ウィリアム・ヒルが現在80%を保有している両社の米スポーツ賭博合弁会社の支配権を握り、国内スポーツ賭博事業を拡大する。(ロイター)

米カジノ運営シーザーズ、英ウィリアム・ヒル買収で合意 37億ドル

2020年12月28日、シーザーズは、ウィリアム・ヒルの36.9億ドルの買収提案に対する独占禁止法違反の待機期間をクリアしたと発表しました。予想以上に早くこの規制のハードルがクリアできたことで、米国のスポーツベッティング巨大企業の誕生は現実のものになっています。今後、シーザーズは、英国高等裁判所の最終承認などを経て、3月の合併完了を目指しています。

casino.orgの報道によると、シーザーズは、現在、合弁事業の範囲外となっているiGamingと合わせて、米国でのスポーツおよびオンラインゲーム事業の拡大により、2021年度には6億ドルから7億ドルの利益を生むと予想しています。

 

◆さいごに

マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)の発表によると、マカオの2020年のゲーミング売上(GGR)は604億4,000万パタカ(7,779億円)となり、前年比79.3%減まで激減しました。

米国ゲーミング協会(AGA)によると、2020年1~10月の全米のゲーミング売上(GGR)は33%減少しています。

新型コロナウイルスはより凶暴なものに変異し、感染者数と死者数はとどまる所を知りません。これからワクチンが普及していくのでしょうが、それでも以前の平穏な世界に戻るとは到底思えず、カジノの主戦場がオンラインにシフトすることは、容易に想像ができます。

期待されていた日本カジノは、大阪府・市の公募申請に参加したのはMGMリゾーツ・インターナショナルのみ、和歌山県への応募も2社のみ、これから公募が行われる横浜市も本命と目されたラスベガス・サンズが撤退し、ウィン・リゾーツも同市の事務所を閉じています。

日本カジノは、大幅な舵取りの変更が求められているように思います。


<1月6日追記>
普通に考えると、そうなりますよね…

『MGMが大阪で取り組んできた日本の大規模開発への欲求を低下させる可能性が非常に高いだろう。(中略)MGMは日本の統合型リゾートから結局は撤退するか、またはパートナーシップの出資比率を下げる(まだどの機会においても発表されていない)可能性がある』(iagより)

エンテイン獲得の可能性によってMGMは日本でのIR開発への取り組みを終了させ得る:バーンスタイン