ウィン社、ディーラーチップのピンハネ紛争が完全決着

ざっくり言うと

  • 15年に渡るウィン・ラスベガスのチップピンハネ紛争が完全決着
  • スーパーバイザーなどの管理職は、今後36ヵ月、チップのピンハネ不可
  • 労働環境も80分勤務+20分休憩から60分勤務+20分休憩に大幅改善

2021年8月31日、全米自動車・航空宇宙・農業機械労働組合(UAW)は、フルタイムで働くウィン・ラスベガスのテーブルゲーム・ディーラーと3年間の組合契約を締結しました。

UAWは、アメリカ最大規模の労働組合で、MGM Grand、Caesars Palace、Harrah's、Flamingo、Bally'sなどのカジノディーラーも所属している組織です。

今回、組合契約が締結されたことで、ウィン・リゾーツ社のスーパーバイザーなどの管理職は、今後36ヵ月、ディーラーが稼いだチップをピンハネできなくなります。

ただし、UAWの契約は、ウィン・ラスベガスのディーラーだけで、アンコール(Encore)のディーラーは含まれていません。

 

◆15年間のチップをめぐる争いに終止符

ラスベガスのカジノでは、ディーラーがお客からもらったチップを一旦、チッププールにストックし、後からゲーム運営に携わったスタッフで分配する仕組みとなっています。ディーラーがお客から、直接チップを受け取ってしまうと、そこで不正が生まれかねないからです。

2006年、ウィン・リゾーツ社の当時のCEO スティーブ・ウィン氏は、「フロア・スーパーバイザー」と「ピットボス」を統合し、新たに「カジノサービス・チームリーダー」という役職を新設し、チッププールの12%を分配する仕組みを設けます。

それに納得のいかないディーラーたちは、2013年と2018年、失われたチップ5,000万ドルを取り返すために、ウィン社に対して2つの連邦訴訟を起こしました。

2021年3月、ウィン・リゾーツ社は、現役・元ディーラーに総額560万ドル(約6億2,000万円)を支払うことで、過去の清算を行っています。


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◆さいごに

ディーラーに「横柄な態度で接する」「難癖をつける」「罵声を浴びせる」は、本当にカジノでよく見かける光景です。怒鳴っている言葉が英語のスラングや中国語だと、言葉の意味はわからなくとも、それが考えうるあらゆる罵声であることは容易に想像ができます。

それを何事もなかったかのように聞き流し、丁寧・真摯に対応しているディーラーには、感服するとともに、自身には絶対に無理な仕事だと再認識させられます。

そして、今回の合意には、ディーラーの労働環境改善も含まれています。これまでウィン・ラスベガスのディーラーは、80分勤務+20分休憩のシフトとなっていましたが、新条件では、60分勤務+20分休憩となります。この苦痛タイムの20分短縮は、チップのピンハネ根絶と同じぐらい、ディーラーにとって嬉しいことなのでは。