有害ギャンブルの社会的コストは年間約1,900億円(英国)

ざっくり言うと

  • ギャンブル依存症のリスクを抱える人は、貧困度の高い地域に集中
  • お酒を飲む人は、飲まない人の倍以上の割合でギャンブルに参加
  • ギャンブル依存症の人は、一般の人に比べて自殺する可能性が2倍以上
  • ギャンブル依存症になる確率は、男性が女性の4.2倍

2021年9月30日、イングランド公衆衛生局(Public Health England:PHE)は、イングランドにおけるギャンブル関連の有害性に関する初の報告書を発表しました。

Landmark report reveals harms associated with gambling estimated to cost society at least £1.27 billion a year
(報告書:ギャンブルが生み出す社会的コストは、少なくとも年間12.7億ポンドになる可能性)


本レポートでは、有害なギャンブルは公衆衛生上の問題であり、自殺や深刻な精神的問題だけでなく、経済的、雇用、人間関係、身体的健康、犯罪行為など、多くの問題があることを強調しています。



◆注目のポイント

・ギャンブルの社会的コストは、イングランドだけで2019年から2020年にかけて、少なくとも12.7億ポンド(約1,900億円)

・有害なギャンブルに関連する自殺での社会的コストは、6億1,920万ポンド(約900億円)、有害なギャンブルに関連するホームレスのコスト6,280万ポンド(約94億円)

・ギャンブル依存症のリスクを抱える人は、イングランド北部などの貧困度の高い地域に集中している
※リスクのあるギャンブラーの有病率は、北西部(4.4%)と北東部(4.9%)が最も高く、南西部は3.0%にとどまる

アルコール消費量とギャンブルの弊害には明確な関連性があり、週に50ユニット以上のアルコールを摂取している人の74.4%がギャンブルに参加しているのに対し、飲まない人は35.4%しかギャンブルに参加していない
※1ユニットはアルコール量で8g。1ユニットは通常のビールで284mL、ワインでグラス2分の1杯に相当
※一方で、肥満度や喫煙は、ギャンブルとの関連性は認められなかった

ギャンブル依存症の人は、一般の人に比べて自殺する可能性が2倍以上高い

ギャンブル依存症になる確率は、男性が女性の4.2倍

・精神的な問題を抱えていると判断された人は、そうでない人に比べて、有害なギャンブルに参加する可能性が2倍

 

◆さいごに

本日、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、政府は自治体による整備計画の申請受付を開始しました。申請の受付期限は来年4月28日まで。

大阪府・市(MGM&オリックス)、和歌山県(クレアベスト&シーザーズ)、長崎県(カジノオーストリア)の3自治体が既にパートナーを一本化しており、整備計画を申請する見込みです。

申請された計画は、有識者でつくる委員会が、国際競争力、経済効果、ギャンブル依存症対策、感染症対策などを審査することになっています。

IR開業後の無用なトラブルを回避するためにも、ギャンブル先進国での本レポートのような負の面にもしっかりと目を向けた厳正な審査を望みます。