V字回復中(マカオ)

ざっくり言うと

  • マカオのカジノ売上は、2016年8月から24ヶ月連続で対前年プラスでV字回復中。
  • 2018年は、3000億パタカ(4兆1100億円)に到達する見込み。
  • マカオの1人あたりGDPは、2020年には世界一になる見込み。

最近、下記のような記事を見かけました。

『アジア地域のカジノは、いずこも集客が減り、収益も急落中。その最大の理由は中国人ギャンブラーの減少である。その結果、マカオもシンガポールもカジノは閑古鳥が鳴く有様。もちろん、少額の掛け金でスロットマシーンやバカラ、ルーレットを楽しむ個人客はいるが、投じられるお金は微々たるもの。』

マカオは既にオワコンで閑古鳥が鳴いている的な…

数年前は、確かにご指摘のとおりで、マカオのカジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続の前年割れだったですが、同年8月から今年7月まで24ヶ月連続で対前年プラスを維持しており、このままいけば数年後にはピーク時に追いつくほどの勢いです。

ちなみに、最新のマカオ政府博彩監察協調局の発表によると、2018年7月のマカオの月次カジノ売上は、前年同月から10.3%増、前月から12.8%増となる253.27億パタカ(日本円換算:約3152億円)だそうです。

マカオの7月カジノ売上10.3%増の約3512億円…24ヶ月連続対前年プラス=1~7月累計17.5%増の約2兆4335億円

と言うことで、マカオのカジノ売上高推移をグラフ化してみました。(単位:億パタカ)

2018年は1~6月までの実績を記載していますが、1500億パタカを超え、今年は3000億パタカ(4兆1100億円)に到達する見込みです。

マカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は、5月の段階で、今年通期のカジノ売上は対前年20%増、2012年水準(3000億パタカ)に回復するだろうとの見通しを示しています。

また、IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済予測データを元にした分析によると、2018年のマカオの1人あたりGDPは12万2489米ドル(日本円換算:約1350万4167円)で、2020年にはカタールを抜いて世界一になる見通しとのことです。

2020年にマカオの1人あたりGDPがカタール抜き世界一へ…IMF予測

1人あたりGDPは、GDP ÷ 人口で算出されるため、ルクセンブルクやスイスなど相対的に人口が少ない小国が高くなる傾向にあるとはいえ、中国返還後のマカオの経済発展は目覚ましいものがあります。ちなみに、日本の1人あたりGDPは2000年の2位から順位を下げ続け、今は20位前後まで衰退しています。


一方で、国内に目を向けると、7月20日のIR実施法成立後、「カジノはもはや斜陽産業」、「IRは国益を損なう」、「売国奴」といったアンチIRの記事を目にすることが格段に増えていますが、日本の現時点でのカジノ参入は、言うほど時代錯誤ではないと思っています。

100歩譲ってカジノが斜陽産業であったとしても、獲らぬ狸の皮算用ですが、IR実施法に定められたとおり国内3ヵ所にシンガポールレベルのIRが誘致された場合、カジノ売上は1兆円規模、カジノ税はその30%で約3000億円とも言われています。そもそも現状が0円なのだから、ここに期待するのは当然のことなのかと。


<参考>シンガポールのカジノ売上の推移
シティバンクが発表したレポート「Think Singapore – 2018 Road Ahead」によれば、シンガポールのふたつのカジノ売上は、2015年以降は、横ばいとなっています。

<出典>Think Singapore – 2018 Road Ahead【PDF】



※9月2日追記
8月のマカオの月次カジノ売上は、前年同月から17.1%、前月から4.9%のそれぞれとなる265.59億パタカ(日本円換算:約3649億円)で、2016年8月から今年8月まで25ヶ月連続で対前年プラスとなっています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180901-00010000-macau-cn