日本のIRは、韓国から学べ(反面教師として)

ざっくり言うと

  • ほぼ同時に公開された、韓国のカジノをテーマにした3つの記事をななめ読み。
  • 自国民が唯一遊べる「江原ランド」は、韓国に17カ所あるカジノ総売上の半分超。
  • カジノ開設にあたっては、地元住民を守る対策が不可欠。

最近、カジノ関係の記事が増えているように思います。
感心するぐらい素晴らしい記事もあれば、的外れなもの、ポジショントークなど、玉石混交ではありますが。

昨日、今日も、韓国のカジノをテーマにした、まったく異なる視点で書かれた記事が公開されていたので、ななめ読みです。

『光』の記事
韓国・仁川のカジノ統合型リゾート「PARADISE CITY」 さらに豪華に

パラダイスシティは、韓国の空の玄関口、仁川国際空港に隣接する韓国最大級の外国人向けカジノ。

「カジノ、ホテル、国際会議場など北東アジア初の本格的統合型リゾート施設(IR)として韓国・仁川に昨年4月オープンした「PARADISE CITY(パラダイスシティ)」に新たな豪華施設が誕生。」


『闇』の記事
カジノは街を救えたか 年315万人来場 韓国「江原ランド」ルポ

江原ランドは、2000年に誕生した韓国人も入れる唯一のカジノ。年間300万人超が来場し、売上は1兆5千億ウォン(約1,500億円)。(うち95%はカジノ関連)
韓国に17カ所あるカジノ総売上の半分超を占める。韓国人ばかりの鉄火場で、ソウルから離れていることもあり、日本人が立ち寄ることはほとんどないと思います。

「関係者によると、1日平均8千人余のカジノ利用者の6割は依存症という。「一度依存症になれば、完治は難しい」と実感する方さんは、カジノ開設以来、2千人以上が自殺したと推測している。地元にはカジノで使う資金を借りるための質店が並び、カジノで勝った人向けの風俗店も増えた。財産を失って家族との関係が悪化してサウナなどを泊まり歩く「カジノホームレス」もいる。」


『解説』の記事 ※あくまでもひとつの視点として
カジノ(IR)。成功例(シンガポール)と失敗例(韓国)の決定的違い

「シンガポール人には100シンガポール$(約8000円)の入場料、カジノ(IR)への無料シャトルバスは禁止、生活保護者等の入場禁止、国家公務員のカジノ利用は月二回に限定し、利用した場合は事後的に上司に報告等々の規制があるという。」


シンガポールと韓国の違いは、シンガポールの徹底した規制が自国民を守るシステムとして有効に機能していることを認めたうえで、それ以上に、韓国とシンガポールの国民性の違い、IRの位置付けの違によるところが大きいと感じています。

ちなみに、シンガポール国民でカジノを蔑視している人は少なくないですし、また、江原ランドはIRではなく自国民に解放されたカジノ(鉄火場)なので、このふたつを並べて論じるのには無理があるように思います。

 

日本での今後の議論のポイントは?

訪日観光客を増やし、カジノでたくさんのお金を落としていただくことを名目に進んでいる日本のIR議論ですが、実際にはカジノの顧客の多くが日本人になることを指摘する有識者は少なくありません。
ちなみに、元ボストンコンサルティンググループ社長の堀 紘一さんも、著書の中で8割ぐらいは日本人、とくに高齢者になるのではと指摘していました。この点については、CAZYも同感です。

となると、『闇』の記事に登場する、鉱山地域社会研究所の元基俊(ウォンギジュン)所長の言葉は真摯に受け止めた方がよさそうです。

「カジノで集客すれば地域が潤うというのは幻想だった」と指摘。これからカジノに参入する日本に対し「カジノは劇薬。扱い方を間違えると依存症の増加や地域荒廃という副作用があることを忘れてはならない。開設するのであれば、外国人ではなく、地元住民を守る対策が必要だ」と忠告した。」

これから日本に登場することになるカジノですが、きれいごとを言う気はさらさらありませんが、江原ランドのようなギャンブルだけの鉄火場にはして欲しくない。
作るべきは、カジノではなくIR(統合型リゾート)なので。
一方で、カジノは鉄火場であるべきだと思っています。