稀代の空売り師が米カジノ株を売り始めたらしい

ざっくり言うと

  • ジム・チャノス氏が、サンズ社とウィン社の株の空売りを開始したとのこと
  • 背景にあるのは、マカオのカジノライセンス更新にともなう入札
  • トランプ大統領の過度な圧力が裏目に出ないといいのですが

参照記事

参照メディア フィナンシャル・ポインター

CAZYはこう思う

CAZY
カジノ&リゾート研究所

とても興味深い記事です。

「ジム・チャノス氏が、米カジノ・オペレーター企業Las Vegas SandsWynn Resortsのショート(株の空売り)を開始したと公表した。」(フィナンシャル・ポインターより)

ジム・チャノス氏は、空売りファンドとして世界最大規模を誇り、20億ドルの資金を運用している空売りの代表格です。2001年に経営破綻したエンロンの不正会計を見抜いたり、最近では、テスラの空売りを公表して同社の株価を大きく下落に導いたことでも有名です。

今回の空売りの背景には、マカオにおけるカジノ・ライセンスの更新が近づいており、チャノス氏はマカオのカジノ事業で、中国勢が勝ち、米国勢が敗れると読んでいるとのことです。

「特に、貿易摩擦にもかかわらず、中国当局によるライセンス更新認可の時期が近付いており、交渉が来年から2020年にかけて行われる。多くのライセンスが2020-21年に期限切れになる。・・・中国がこれを交渉材料にするかもしれない。」(フィナンシャル・ポインターより)


現状、マカオのカジノライセンスは、中国へのマカオ返還の3年後の2002年から、中国政府によって下記の6社に発行されています。

<2020年3月31日満期>
SJM Holdings
MGM China

<2022年6月26日満期>
Sands China
Galaxy Entertainment
Wynn Macau
Melco Crown

正確には、「Galaxy Entertainment」のサブライセンスとして「Sands China」、「SJM Holdings」のサブライセンスとして「MGM China」、「Wynn Macau」のサブライセンスとして「Melco Crown」の6社です。

数年前までは、これらのカジノ事業者は、カジノライセンスが自動的に更新されると楽観的に構えていたようですが、一定の猶予期間(最長5年)を経て、再度、入札が行われること、また新規の参入もあり得ると示されたことで、日本さながらのピリピリした状態になっているようです。


また、米中の貿易摩擦は悪化の一途をたどり、もはや経済戦争状態といっても過言ではありません。

先日、アメリカがファーウェイの孟副会長を逮捕して大きなニュースになっていましたが、この騒動への明治大学海野教授の考察では、

「中国との通商協議において、孟氏を交渉材料として利用し、多くの譲歩を引き出すことが可能になりました。トランプ氏の視点に立てば、孟氏は中国に対して非常に価値の高い交渉カードです。」(海野教授)

と、トランプ大統領流の交渉術として位置づけていました。
その真偽は定かではありませんが。

トランプ大統領と言えば、以前は自身がカジノオーナーであったことからもカジノ業界との関係は深く、ラスベガス・サンズのアデルソン会長はトランプ大統領の最大の支持者のひとりです。2016年の大統領選ではアデルソン氏がトランプ氏に2千万ドル(約22億4千万円)を献金したことは、カジノ関係者の中では誰もが知るところ。

ということで、ここまでの話を総合的に考えると、

トランプ大統領が中国に対して、理不尽なプレッシャーをかけすぎれば、米国企業のマカオでのカジノライセンスの失効というストーリーもあり得なくはないのかと。

チャノス氏の米カジノ「売り」の背景には、そこまでの読みがあるのかもしれないですね。

チャノス氏が言うなら、乗っかってみようかなぁ。

信じるか信じないかは、あなた次第です。