どんだけスロットが好きなのか(ラスベガス)

ざっくり言うと

  • ラスベガスで1番人気のゲームはスロットマシン
  • ゲーミング収益に占めスロットマシンの比率はストリップで50%、ダウンタウンで69%
  • 日本カジノの向かう先は、マカオ型ではなくラスベガス型になるのでは?

前回記事「どんだけバカラが好きなのか」では、ゲーミング売上の89%をバカラが占めるマカオのゲーム事情を紹介しました。今回は、引き続きラスベガスのゲーム事情について紹介します。

最初に結論を申し上げると、マカオではゲーミング売上の5%にすぎないスロットマシンが、現在のラスベガスの稼ぎ頭となっています。

では、今回もネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)のデータをもとに詳しく見ていきます。

まず、ネバダ州のゲーミング収益に占めるスロットマシンの割合です。
棒グラフがネバダ州全体、赤い折れ線グラフがネバダ州最大のカジノ街ラスベガス(ストリップ通り)、オレンジの折れ線グラフがラスベガスのダウンタウンとなります。


<ネバダ州のゲーミング収益に占めるスロットマシンの割合>
※データ出典:ネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)

    ネバダ計 ストリップ ダウンタウン
2018年 65% 50% 69%
2017年 64% 50% 68%
2016年 64% 49% 71%
2015年 63% 48% 72%
2014年 62% 46% 73%
2013年 61% 45% 75%
2012年 63% 47% 77%

スロットマシンの比率は、ここ数年頭打ちとなっていますが、依然ダウンタウンを中心に高い人気を誇っています。富裕層やVIPの多いストリップで5割、ダウンタウンで7割と、ラスベガスにおける1番人気のゲームはスロットマシンといっても過言ではありません。

庶民の身近なところでチャリンチャリンが流行っている構図は、まさに日本のパチンコ業界と同じです。まるで日本カジノの先行きを見ているようです。


続いて、ネバダ州全体、ストリップ、ダウンタウンごとのゲーミング売上の推移です。


<ネバダ州のゲーミング収益の推移>
※データ出典:ネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)
※1ドル=111円で換算
※Game Rev:テーブルゲーム(バカラ、ブラックジャック、ルーレットなど)のほか、ポーカー、レース・スポーツベッティング、キノ・ビンゴなどを含むゲーミング収益
※Slot Rev:スロットマシンのゲーミング収益

    Game Rev  Slot Rev   TOTAL
2018年 4,667億円 8,561億円 13,228億円
2017年 4,595億円 8,249億円 12,844億円
2016年 4,544億円 7,951億円 12,495億円
2015年 4,563億円 7,774億円 12,337億円
2014年 4,609億円 7,489億円 12,098億円
2013年 4,734億円 7,497億円 12,231億円
2012年 4,389億円 7,529億円 11,919億円



<ストリップのゲーミング収益の推移>
※データ出典:ネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)

    Game Rev  Slot Rev   TOTAL
2018年 3,641億円 3,672億円 7,313億円
2017年 3,600億円 3,571億円 7,171億円
2016年 3,611億円 3,467億円 7,078億円
2015年 3,647億円 3,400億円 7,046億円
2014年 3,757億円 3,232億円 6,988億円
2013年 3,903億円 3,234億円 7,137億円
2012年 3,578億円 3,228億円 6,806億円



<ダウンタウンのゲーミング収益の推移>
※データ出典:ネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)

    Game Rev Slot Rev TOTAL
2018年 223億円 499億円 721億円
2017年 222億円 479億円 701億円
2016年 182億円 445億円 627億円
2015年 171億円 430億円 601億円
2014年 153億円 410億円 563億円
2013年 141億円 411億円 551億円
2012年 131億円 429億円 560億円


前回記事「どんだけバカラが好きなのか」と比較していただくと、同じカジノであってもマカオとラスベガスでは、まったく収益構造が異なっていることがわかります。では、日本カジノはどちらに向かうのでしょうか?

ここからはCAZYの想像になりますが、現在、日本カジノはジャンケットは認めず、かつ、かなり厳しい入出金規制を行う(報告義務を課す)とされています。となると、収益の柱をVIP(特に中華系)に期待するのは難しい気がします。また、日本には長年にわたって醸成した900万人のパチンコファンと、それを魅了するスロットマシンの開発メーカーも多数存在しています。

余談ですが、先日、アーケードゲームで人気のあの競馬ゲームがカジノ設置の認可を受けたという記事を目にしました。お金が賭かっていなくてもあれだけ盛り上がるゲームです。これがカジノに設置されるとなると、どれだけ盛り上がるのか計り知れません。

現時点では、日本カジノのメインターゲットは訪日外国人とされているため、誰も大きな声では言わないのですが、日本カジノの向かう先はマカオ型ではなくラスベガス型、メインターゲットはパチンコファンを中心としたギャンブル好きの日本人と考える方が自然なのではないでしょうか。