コンプは天使?それとも悪魔?

ざっくり言うと

  • 天使面(魅力的なコンプいろいろ)
  • 悪魔面(コンプを貰う=勝ち逃げ権の放棄)
  • もはやカジノだけでお客を満足させることは難しい時代なのでは

コンプシリーズの3回目で、いったんコンプシリーズの最終回です。

第1回:コンプとは?
第2回:どのぐらいのコンプが貰えるの?
第3回:コンプは天使?それとも悪魔?(今回)

改めての説明となりますが、コンプ(comp)とはComplimentary(無料)の略で、カジノのゲームに費やした金額や時間に応じて、割引特典や無料特典が受けられる顧客サービスのことです。

前回、前々回と、コンプのメリットについて紹介してきましたが、今回もコンプの天使面の話からスタートします。

◆一般客でも貰えるコンプ

①カジノバウチャー(無料プレイ券)
正確には、無料プレイとマッチプレイの2種類のバウチャーがあります。無料プレイはその名のとおり無料でプレイできるチケット、マッチプレイは賭けたチップの同額が加算されるチケットです。100ドルを賭ける際、マッチプレイプレイのバウチャーを使用することで200ドル賭けたことになります。

現在、韓国パラダイス・シティでは、プレイヤーズクラブへの入会で、もれなく₩70,000(7,000円)のバウチャーが貰えるようです。

②フードコンプ
レストランでの飲食代金が割引または無料になるコンプです。
そのカジノに宿泊している場合、食事はルームチャージにするのが基本です。一旦、払ってしまうとコンプが貰えなくなることがあるのでご注意を。

③ルームコンプ
宿泊料金が無料になるコンプです。
宿泊料金が割引になるカジノレートと、宿泊料金が無料になるフリーステイの2種類があります。

④その他のコンプ
・ラインコンプ(ホテルフロントやレストランの行列に並ばず、優先的に案内してもらえます)
・ドリンクコンプ(ホテルのレストランややバーでドリンクが割引または無料になります)
・ショーチケットコンプ(ショーチケットを確保してもらったり、無料になることもあります)

※①②③④で、どのぐらいプレイしたらどのぐらいのコンプが貰えるのかは、前回記事「どのぐらいのコンプが貰えるの?」を参照ください。


◆VIP客向けのコンプ

最低でもフロントマネーが100万円(1万ドル)ぐらいからのコンプとなります。
※フロントマネーとは、カジノにあらかじめ一定金額を預け(デポジット)、それだけの金額をカジノで使う意志を示すものです。
※フロントマネーの金額の他に、平均ベット額やプレイ時間などの条件があります。

①フリー航空券(交通費の一部負担、全額負担)
②リムジン送迎
③ルームコンプ(スイートルーム)

④キャッシュバックプログラム
ローリングプログラム
ロストプログラムの2種類があります。

ローリングプログラムとは、賭けた総額(カジノが回収したノンネゴシエーションチップの総額)に対してキャッシュバックされるプログラムです。一般的にキャッシュバックは1~2%の範囲で設定されていますが、2%のキャッシュバックとなるとスゴイのレベルです。最低でもフロントマネーは500万円以上が目安となります。

ロストプログラムとは、負けた金額に対してキャッシュバックされる仕組みです。一般的には10~20%の範囲で設定されています。最低でもフロントマネーは1,000万円以上が目安となり、その金額によってキャッシュバック率は変わってきます。

ハウスエッジ(胴元の取り分)が1~2%のカジノゲームにおいて、賭けた総額の1~2%、もしくは負けた金額の10~20%のキャッシュバックとなると、VIP客がいかにゲームで優遇されているのかがわかります。まぁ、それだけのお金を使っているので、ビジネス的には当然といえば当然のことですが。

◆おススメの本
エントリーレベルのVIPコンプについては、こちらの書籍で詳しく紹介されています。ご興味のある方にはおススメです。
過去記事:読書感想『ブラックジャックでカジノ生活 ソウルの僕はVIP』


◆コンプの悪魔的な側面

さて、ここまではコンプの天使面の話ばかりをしてきましたが、最後にコンプの悪魔的な側面をお伝えして、このコンプシリーズを閉じたいと思います。

一見、プレイヤーにとってメリットしかないように思われるコンプですが、そこには大きな落とし穴が潜んでします。

ギャンブルはすべて胴元が勝つようにできているといっても過言ではありません。カジノのテーブルゲームでは1~5%とわずかではありますがハウスエッジ(胴元の取り分)が設けられており、賭け金にリミットがあるのもハウスが負けないための施策に他なりません。一方で、ギャンブルにおいて、ひとつだけプレイヤーが有利なことがあるのですが、それが何かおわかりでしょうか?

その答えは、勝ち逃げができること。

プレイヤーは好きな時にギャンブルをやめることができますが、基本的にハウスはプレイヤーの賭けを拒否することができません。それはどれだけハウスが負けていてもです。

つまり、「コンプを貰う=勝ち逃げ権の放棄」にもなりかねないということです。

VIP客のように、最初から大きく勝負することがわかっていれば、条件が有利になるキャッシュバックプログラムを使わない手はありませんが、一般客の場合は、コンプへの期待はほどほどが無難です。

たくさん勝っているのでそろそろやめ時なんだけど、まだプレイ時間が足りないからとやり続けた結果、大負けなんてのはカジノでは本当によくある話。コンプを貰うために負けてしまっては、まさに本末転倒です。

あくまでも、コンプは「遊んだ結果に後からついてくるおまけ」ぐらいに考えておいた方が判断を誤ることはないと思います。


また、CAZYも昔はコンプのお世話になることも多々ありましたが、これから大きなコンプを受け取ることはもうないのではと思っています。その理由は、最近はどの街に行っても、また、ホテルによっても、カジノ以外の魅力的なエンタメやアトラクションが増えていて、ひとつのカジノに縛られたくないという思いが強くなったからです

ラスベガスのカジノ収益が全体の半数にも満たない現状をみても、新設カジノのエンタメの充実度を見ても、もはやカジノだけでお客を満足させることは難しい時代になったと考えるべきなのでは。