読書感想『裏カジノディーラー』

ざっくり言うと

  • ディーラーとして約30店舗の闇カジノを渡り歩いた筆者の自叙伝
  • 闇カジノのえげつなさを伝えるには十分な内容
  • 闇カジノにあるのはリスクのみ

早速、11月27日に発売されたばかりの『裏カジノディーラー』を読みました。

本書の舞台は、闇カジノ隆盛期の90年代半ば~00年代、ディーラーとして闇カジノを30~40店舗を渡り歩いたとする筆者の自叙伝。闇カジノのえげつなさを伝えるには十分な内容で、とても興味深く読むことができました。



「裏カジノディーラー」 , 田村佳彰(著)  , 彩図社

<Amazonの説明文>

鉄火場、ヤクザ、ズブズブの社長、バカラ、暴力沙汰、ポンコツ、ガジリ客、身内食い、デコ、反目の襲撃、エゲつない仕掛け……。

華やかなカジノの世界には非日常を求める博打好きが集まる。だが、その世界で生き残れる人間はそう多くはない。皆、自分の内側に渦巻く欲望の業火に焼かれて、その身を焼き尽くしてしまう。
本書では自分がカジノの世界で経験した出来事を赤裸々に記した。固有名詞や店舗の場所、エピソードの細部などについては多方面に迷惑がかかることを考慮し、一部を変更したが、カジノの実情を生々しく活写したものになっていると思う。カジノディーラーとしてこの道に入るところから始まり、青春と共にカジノで過ごした最も濃密な約五年間を業界のタブーを恐れずに書いた。
究極のリアリティで描かれる裏カジノの世界をご堪能あれ。


◆CAZYの感想

筆者は、本書プロローグにて、「本書を読んだ読者の方が、カジノの魅力に取りつかれて身を焼き尽くすことになるか、それとも絶対に近寄ってはならない世界だと誓いを立てるか。筆者の立場から保証することはできない。」と問題を提起します。選択肢は「破滅」か「敬遠」の2択で、「財を築く」が含まれていないことが本書のすべてなのかと。

言わずもがなですが、闇カジノで遊ぶことがリスクイカサマされても文句が言えないのもリスクイカサマを発見しても証明できないのもリスク勝ってお金を払ってもらえなくても泣き寝入りするしかないのもリスク

闇カジノには、カジノの不正を抑止するための監視カメラも、カジノ管理委員会も、最強の抑止力であるカジノライセンスすらありません。

最近は、日本カジノ誕生が現実味を帯びてきたことで、浄化を目的とした闇カジノの摘発が相次いでいますが、正直、3万円も出せば2時間もかからない距離に合法のカジノがあるにもかかわらず、自らリスクを背負って闇カジノに行く人の気持ちがまったく理解できません。また、わずか数十万円のために闇落ちするディーラーの気持ちも理解できません。人生が終わってしまうかもしれないのに。

本書のような不幸を生まないためにも、合法的な日本カジノの誕生を待ち遠しく思います。