読書感想『流浪の大地』

ざっくり言うと

  • 骨太の社会派小説、本城雅人(著)の『流浪の大地』
  • きな臭さが漂うIR開発を舞台にしたあるある過ぎるストーリー
  • 賭けの描写は一切ありません

加速度的な拡がりを見せる新型コロナウイルスは、3月23日時点で感染者349,211人、死者15,308人となり、世界中のカジノのほとんどが閉鎖されています。世界のカジノメディアも新型コロナウイルス以外は目立ったニュースもなく、こんな時は溜まりまくった積ん読の整理にもってこいです。

今回は、骨太の社会派小説、本城雅人(著)の『流浪の大地』の感想です。


『流浪の大地』 , 本城雅人(著) , KADOKAWA

<Amazonの説明文>
この国に、未来はあるか。

統合型リゾート(IR)をめぐる、情報操作と機密漏洩。黒く塗りつぶされた資料の真実とは。
『ミッドナイト・ジャーナル』『傍流の記者』の著者が放つ、渾身の国家謀略サスペンス。
熱き仕事人たちの誇りを賭けた物語。

大手ゼネコン鬼塚建設の新井は、国内外で数々の工事を成功させてきたが、2年前の談合事件以降、現場を外され閑職に追いやられていた。そんななか、日本初の統合型リゾート(IR)の工事責任者を任され、汚名返上のチャンスと意気込む新井だったが、かつての部下、根元からの不穏な電話に不安を覚える。同じ頃、中央新聞の那智は、伝説の調査報道記者と呼ばれ病に倒れた叔父が残した謎の建設工事資料の解明に取り組んでいた。次第に明らかになるゼネコンの闇と、政財界を巻き込む大きな陰謀。国家プロジェクトとなったIR建設をめぐり、新たな事件が起ころうとしていた――。

 

◆CAZYの感想

日本初の統合型リゾート(IR)の利権を巡って、政治家とゼネコンの癒着に巻き込まれていくゼネコンマンと、その不正を暴く新聞記者のふたつの視点で描かれた本著。

カジノ疑獄に代表される汚職事件や某大臣への接待疑惑など、きな臭さが漂うIR開発を舞台にしたあるある過ぎる(と思われる)ストーリーで、カジノオタクとしても、大規模開発をかじった人間としても、興味深く読むことができました。

謎解きもよくできており、最後に明かされるキーマン正体、悪人に下される鉄槌など、サスペンス小説としての読みごたえも十分。

賭けの描写は一切ありませんが、銀行などの国内大企業連合軍と実績のある外資IR事業者の利権を巡る対立が特に興味深かったです。