なぜカジノの通路には曲がり角が少ないのか?

ざっくり言うと

  • カジノ内にあるすべてのものは、より多くギャンブルするよう設計されている
  • それは、明るさ、温度、香り、音楽、イスの座り心地などにも及ぶ
  • 通路に曲がり角が少ないのも明確な理由があってのこと

新型コロナウイルスは、4月10日時点で感染者1,600,427人、死者95,506人となり、世界各地で加速度的な拡がりを見せています。


4月10日時点:新型コロナウイルスの伝染状況確認マップ(ジョンズ・ホプキンス大学)


世界各地のカジノが閉鎖を余儀なくされたことで、カジノ業界の興味深いニュースもめっきり減ってしまいました。そこで最近は、買ったまま読んでいなかった書籍の整理や、名著の読み直しをやっています。しばらくはそこで見つけた面白い話を少しずつ書いていこうと思います。

 

◆なぜカジノの通路には曲がり角が少ないのか?

カジノに時計がないのはよく知られた話ですが、カジノ内にあるすべてのもの、照明の明るさ、温度、香り、音楽、イスの座り心地、天井の高さ、通路の幅、カーペットの柄に至るまで、客にいかにしてより長い時間、より多くのお金を使ってもらうのかを考え抜いて設計されています。


1980年代半ばから、カジノは直角に曲がる通路を減らし、たくさんのカーブを導入することが、カジノ設計のトレンドになりました。

その理由は、客が、歩くスピードを落として、スロットマシンがある通路へ直角に曲がるには、相応の覚悟が必要だからです。

あるカジノでは、エントランスに続く通路の曲がり角を直角からわずかに曲線状にしただけで、カジノに入ってくる歩行者の割合が3分の1から3分の2近くまで跳ね上がったとのことです。


『デザインされたギャンブル依存症』 , ナターシャ・ダウ・シュール (著) , 青土社 (2018/6/25)

「カジノの内部では、通路は客が方向感覚をなくすように、緩やかなカーブでくねくね曲がっていなければいけない。また、ギャンブリング・エリアに続く通路は徐々に狭くなっていくことが重要で、そのような通路だと、客は別のエリアに入ってしまったと気づかないうちに、ギャンブルに没頭できるこぢんまりとした世界に入りこんでしまう。通路のカーブがゆったりと緩いカーブを描いていれば、足を止めたり、方向転換をしたり、自分の動きを確認する角がなくなるため、歩行者は自分が建物のレイアウトに誘導されていることに気づかない。理想は、彼らが目に入るものをあれこれ分析することなく、くねくね曲がる通路を歩き、自分のギャンブル心をかき立てるものがないかと、ぼんやりまわりを眺めてくれることだ。」(Kindle No.1043)

本書については、過去記事:読書感想『デザインされたギャンブル依存症』で詳しく紹介しています。


一方で、地元民を対象にした小規模カジノは、マシンをきちんと並べるのがポイントだそうです。先週の木曜日は左から3番目のあのスロットマシンで勝ったので今日も同じ台でとか、今日の昼に一番右のマシンでロイヤルストレートフラッシュが出たのでその台は避けようなど、分かりやすさを重視したレイアウトになっています。設計は日本のパチンコホールと同じですが、ラスベガスなどのスロットマシンは日本のパチスロとは異なり日々の設定変更が認められていないため、オカルトの域を出ないことは言うまでもありませんが。

 

◆さいごに

CAZYはカジノの中でよく迷子になるのですが、それはCAZYが極度の方向音痴だからではなく、カジノがそのように作られているからです。