
ついに、ポケモンGOでのタマゴの孵化確率が公開される?
ざっくり言うと
- Nianticに対して、ポケモンの出現確率を公開するよう署名活動が進む
- イベント期間中、モノズの孵化確率がNianticの都合で1%から3%に操作された疑惑
- App StoreやGoogle Playは、ルートボックス(ガチャ)のオッズ公開を義務付けている
人気の位置情報ゲーム『Pokémon GO』(ポケモンGO)で、運営元のNianticにポケモンの出現確率を公開すべきだとして、署名活動が進んでいることを海外の複数メディアが報じています。
nintendo life:
Pokémon GO Players Call For Niantic To Disclose Loot Box Odds
(ポケモンGOのプレイヤーがNianticにルートボックスのオッズを公開するよう求める)
GAMERANT:
Pokemon GO Players Want Niantic to Post Loot Box Odds
(ポケモンGOのプレイヤーがNianticにルートボックスのオッズ公開を求める)
EUROGAMER:(8月13日更新)
We should talk about Pokémon Go's loot boxes
(ポケモンGOのルートボックスについて話をしよう)
The Silph Road:(数学的分析)
DEINO: REVIEWING DRAGON WEEK HATCHES
(モノズ:ドラゴンウィークでの孵化のレビュー)
ポケモンGOの運営元であるNianticがオッズを公開しないスタンスは、何年も前から問題視されていますが、ここにきて、8月初旬に開催された「ドラゴンウィーク」イベントでのタマゴが起爆剤となって大きな問題に発展しつつあります。
◆成長を続けるポケモンGO
ポケモンGOは、リリース以来4年間で36億ドル以上(約3,800億円)の売上を記録し、今もなお安定した成長を続けています。
<2017年から2020年までの上半期の世界売上推移>(出典:sensortower.com)
◆問題の起爆剤となったモノズのタマゴ
レアポケモンとして有名なモノズですが、8月初旬に開催されたドラゴンウィークイベントでは、更に激レアとなる色違いのモノズがタマゴから孵化する可能性があると告知されていました。
<激レアの色違いモノズ>(出典:ロケットニュース24)
しかし、タマゴを割っても割ってもモノズが生まれないことから、ポケモンGOのファンサイトThe Silph Roadが実績に基づいた調査結果を公表しました。下記グラフの紺色部分がモノズが生まれたタマゴです。
<ドラゴンウィーク中に孵化したタマゴの割合>(出典:The Silph Road)
The Silph Roadは、イベント期間中に1,123個のタマゴを割り、モノズ(Deino)が孵化する確率は、最初の3日間は1%以下で、それ以降は3%ほどに上昇していたと結論づけています。
◆オッズの公開を求める署名活動
署名活動は、オンライン署名サイトiPetitionsにて行われており、「ポケモンGOがGoogleやAppleの開発者ポリシーに違反することをやめ、Nianticとプレイヤーコミュニティとの信頼関係を強化するためにも、ショップや道具箱内でこれらのオッズを開示し、これらの変更が速やかに行われることを期待しています。」として、賛同を募っています。
コミュニティは、運営元のNianticに対して、オッズの公開に加えて、下記事項の開示を求めています。
・どのポケモンがどのタイプのタマゴから孵化するか
・レイドバトルでどのようなアイテムが報酬としてもらえるか
・ルアーモジュールやおこうでどのポケモンを呼び寄せることができるか
現時点では、iPetitionsでの署名は、目標の1万件に対してまだ約2,000件しか集まっていませんが、世界的に人気のポケモンGOだけに、この活動が話題になれば署名は爆発的に増える可能性があります。
◆今後の展開
コミュニティは、Nianticが署名が集まる要望を受け入れない場合、AppleやGoogleに直接オッズの開示を訴えるとしています。ポケモンGOを配信しているiOSのApp Storeや、AndroidのGoogle Playでは、ルートボックス(ガチャ)のオッズ公開を義務付けており、配信されているほとんどのルートボックス(ガチャ)は、そのオッズを公開しています。
App Storeのガイドラインには、「ルートボックスなどの方法でバーチャルアイテムをランダムに購入できるAppでは、各種アイテムの入手確率を明記して、ユーザーが購入前に確認できるようにしてください」と記載されています。
Google Playのガイドラインには、「仮想アイテムをランダムに受け取る購入メカニズム(いわゆる「ルートボックス(ガチャ)」)をアプリで提供する場合は、アイテムを取得できる確率を購入前に明確に開示する必要があります」と記載されています。
◆そもそもポケモンGOはルートボックス(ガチャ)なのか?
ポケモンGOは、基本的に無課金でも遊べるように作られています。
CAZYもポケモンGOがサービスを開始した時からのプレイヤーですが、これまでに課金したことは数回だけで、4年間で1万円も課金していませんが、それでも飽きることなく十分楽しめています。
一方で、ガチ勢と言われるプレイヤーは、有料の孵化装置を使ってタマゴを割りまくり、有料のレイドバスを使って伝説のポケモンをゲットしまくり、有料のほしのかけらを使ってポケモンの強化に必要なほしのすなを貯めまくっています。
Nianticは無課金でも十分遊べるためルートボックスではないと主張し、コミュニティは課金を伴う運ゲーであることからルートボックスだと主張し、両者の主張は真っ向から対立しています。
ポケモンGOは、無課金でも遊べて、課金によって少し有利になる程度の射幸性しかありません。これをルートボックス(ガチャ)とみなすべきかどうかは、議論が分かれるところです。
さて、Nianticがコミュニティの要求を受け入れオッズ公開に方針展開するのか、AppleやGoogleを説き伏せて現状を維持するのか、今後のNianticの動向が注目されています。
◆さいごに
コロナ禍でのCAZYの日課は、もっぱら散歩です。CAZYは万歩計代わりにポケモンGOをやっている程度なので、ポケモンGOがルートボックス(ガチャ)だとは思っていませんが、Nianticがオッズを公開してくれるのであれば、レア度が分かってそれはそれで嬉しいです。
一方で、セレンディピティ(serendipity:偶然の出会い)があるからポケモンGOは面白く、オッズが公開されなくても、それはそれで楽しみ方はあるとも思っています。
イギリスのギャンブル委員会は、換金機能のないルートボックスはギャンブルではないとしていますが、金銭的な不利益を被ることのない無課金勢は、ましてギャンブルにはなり得ません。
オッズの公開は、課金勢にとっては死活問題であっても、無課金勢にとってはどちらでもいいぐらいの話なのかと。
余談ですが、お昼の散歩で、登場したばかりのダンゴロの色違いをゲットして、ちょっとだけ幸せな気分になりました。