読書感想『それはあくまで偶然です』

ざっくり言うと

  • 運に頼ったギャンブラーが負ける理由を明らかにする本著
  • バカラにしろルーレットにしろ、所詮はランダムな運次第
  • 宝くじで大当たりするより買いに行く途中で死ぬ可能性のほうが高い

『運は数学にまかせなさい』のローゼンタール教授の新刊が面白かったのでご紹介です。

『それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学』
ジェフリー S ローゼンタール(著),早川書房

日常生活において「偶然」に過剰な意味を見出してしまう事例を紹介し、それを確率や統計の立場からぶったぎる本著。ギャンブラー目線で読みながら自身の愚かさを改めて感じさせる一冊でした。

『私たちは、どうして思い込みや運の罠に陥りやすいのか? 著者によれば、一つには、「人間は、なぜ物事が起こるのかを説明し、その理由を見つけ、何かしら道理にかなったものにしたいという、本能的な欲求を持っている」から。そしてまた、「意味のないただの偶然という単純明快な説明は、はっきり言って、退屈」なのに対して、「カルマや宿命、運命や魔法には、はるかに多くの意味や重要性が感じられる。そして、人は身の回りの運やランダム性について考えるとき、それらには特別な意義や意味があってほしいと願う」からだ』(訳者あとがきより)

 

◆さいごに

『彼らは、熱心に願えば、宝くじのジャックポットを勝ち取る助けになることを期待しているのに対して、私は無情な統計学を使って、宝くじで大当たりするよりも宝くじ券を買いに行く途中で死ぬ可能性のほうが高いなどと言う。』(本文より)

ギャンブルで大勝ちした武勇伝を聞かされることが多々あります。バカラにしろルーレットにしろ、所詮はランダムな運次第で、後付けであれば何とでも言えます。そこに神様もいなければ、物理学を超越するようなミラクルもありません。

言わずもがなですが、あらゆるギャンブルはハウスエッジ(胴元の取り分)によって、負けるべくして負けに帰結します。ギャンブルは、遊びの範囲で適度に楽しむべきものという話でした。