
ここ10年の公営ギャンブルの売上をグラフ化してみる
ざっくり言うと
- 2017年度の公営ギャンブルの市場規模は、6兆1,387億円。
- 直近10年間では、2012年度を底にゆるやかにV字回復中。
- 宝くじは、2011年度をピークに売上減少が続き、ひとり負け状態。
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公営ギャンブル売上まとめ(2020)
2017年度の公営ギャンブルの売上は6兆1,387億円で、2012年度を底に10年前の水準まで回復しています。ただし、すべての公営ギャンブルの売上を足しても、パチンコの3分の1以下となっています。
<直近10年間の公営ギャンブルの売上推移>
<2017年度のギャンブル売上と監督省庁>
■個別トピックス
<競馬>
1990年代の後半をピークに売上減少が続いたものの、2011年度を底にV字回復中。
<競艇>
1990年代の初頭をピークに最盛期の2分の1以下まで市場は縮小したが、直近6年では売上は増加中。
<競輪・オート>
1990年代の初頭をピークに最盛期の3分の1以下まで市場は縮小したが、直近5年では売上は増加中。
<宝くじ・toto>
宝くじは、2011年度をピークに売上減少が続く。
一方で、スポーツくじは、2013年度から5年連続で売上1,000億円を超え増加中。
<参考:パチンコ>
ここ10年で3分の2以下まで市場は縮小しているが、売上は20兆円弱とその規模は圧倒的。
※2019年4月25日追記
2018年度の売上実績を「公営ギャンブル売上まとめ(2019)」にまとめました。
楽天インサイト社が2018年7月に実施した調査によると、パチンコ、スロット、中央競馬の参加人数が他の公営ギャンブルと比較して、格段に多いことがわかります。ただし、本調査結果は、ギャンブルファンがどれだけインターネットアンケートに答えるのかといった背景は考慮されていません。
パチンコ(スロット含む)と中央競馬の参加人数はほぼ同等であるにもかかわらず、売上規模に10倍の開きがみられることから、パチンコ(スロット含む)への投資金額がいかに大きいかがわかります。
<2018年度 ギャンブルの実施状況>
出典:楽天インサイト社(ギャンブルパネルより)
最近、いろいろなメディアで「ギャンブル離れ」の記事を目にしますが、データを見ると公営ギャンブルに関しては、ここ10年では言うほど大きな「ギャンブル離れ」は起こっていないようです。
一方で、パチンコは、ここ10年で3分の2以下まで市場の縮小が進んでいます。
ただし、データを細かく見ていくと、若者の「ギャンブル離れ」が進んでいること、ネット経由での参加が増えていることなど、市場規模に変化がなくても、その内訳は大きく変わっていますので、正確に市場を捉えるためには、より詳細な分析が必要です。
最後に、数年後にはカジノ解禁による黒船到来が確実となっています。公営ギャンブルのファンが、一気にカジノにシフトするとは思っていませんが、公営ギャンブルとパチンコ業界は、今まで以上のファンを魅了するサービス向上が不可欠となります。
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公営ギャンブル売上まとめ(2020)