ギャンブル離れは本当か?

ざっくり言うと

  • 20年前の半分程度までギャンブル離れが進んでいる
  • 20年前と比較すると、男性20代のギャンブルファンは約3分の1、女性20代は約5分の1
  • 一方で、高齢層スコアの変化は軽微。唯一、男性60代のスコアは20年前を超える

最近、いろいろなメディアで「ギャンブル離れ」の記事を目にしますが、そもそもそれは真実なのか?
また、その実態はどうなっているのか?

博報堂が公表している調査結果から、26年間のギャンブルへの意識の変化を調べてみました。
本記事のデータ出典は、「生活定点」より。

「生活定点」は、博報堂生活総合研究所が1992年から隔年で実施している時系列観測調査です。日頃の感情、生活行動や消費態度、社会観など、多角的な質問項目から、生活者の意識と欲求の推移を分析することを目的としています。


今回、「生活定点」の中で、注目したのは下記の3項目となります。

質問20:
「遊び」について、あなたご自身にあてはまるものにいくつでも○をつけてください。
「11: ギャンブルが好きな方だ」

質問21:あなたがよくするスポーツ・趣味にいくつでも○をつけてください。
「26: 競馬・競輪・競艇」
「46 :パチンコ・スロット」

では、データを見ていきたいと思います。


■ギャンブルへの意識の変化について


<ギャンブルへの意識の変化>(全体)

「ギャンブルは好きな方だ」と答えた人は、24年間で16.6%から9.2%へ7.4ポイントの低下。

「パチンコ・スロット」を趣味にあげた人は、26年間で15.8%から6.7%へ9.1ポイントの低下。

「競馬・競輪・競艇」を趣味にあげた人は、26年間で11.2%から5.3%へ5.9ポイントの低下。

いずれの項目も20年前の半分程度までスコアが低下しており、年々ギャンブル離れが進んでいった状況がわかります。予想はしていましたが、ここまでギャンブル人気が低下していたとは、正直、驚きました。

一方で、公営ギャンブル(競馬・競輪・競艇)は、ここ10年は踏みとどまっていることがわかります。


「意識:ギャンブルが好きな方だ」、「趣味:パチンコ・スロット」、「趣味:競馬・競輪・競艇」の相関(関連性)を確認したところ、当然のごとく各項目間に強い相関(関連性)が確認できました。

「意識:ギャンブルが好きな方だ」と「趣味:パチンコ・スロット」
非常に強い相関(相関係数:R=0.97)

「意識:ギャンブルが好きな方だ」と「趣味:競馬・競輪・競艇」
強い相関(相関係数:R=0.83)

「趣味:パチンコ・スロット」と「趣味:競馬・競輪・競艇」
強い相関(相関係数:R=0.84)


また、直近10年間のパチンコと公営ギャンブルの売上推移との相関(関連性)を確認したところ、パチンコファン数とパチンコ売上が直結している一方で、公営ギャンブルファン数と公営ギャンブルの売上が直結していない点は興味深い結果でした。
その理由については、詳細な分析を要するため、今回はあくまでも実態の把握までにとどめます。

「趣味:パチンコ・スロット」と「パチンコ売上」
非常に強い相関(相関係数:R=0.94)

「趣味:競馬・競輪・競艇」と「公営ギャンブル売上」
非常に弱い相関(相関係数:R=0.40)

売上データについては、過去記事「ここ10年の公営ギャンブルの売上をグラフ化してみる」参照ください。


■ギャンブル離れしているのは誰?


<意識:ギャンブルは好きな方だ>(性×年齢別)

「意識:ギャンブルが好きな方だ」の推移を性別×年齢別に見ると、

男性女性ともに20代が大きくスコアを落としており、男性は約3分の1、女性は約5分の1となっています。

男性女性ともに高齢層は、スコアの変化が軽微です。唯一、男性60代のスコアは、20年前を超えています。

気になったので、「趣味:パチンコ・スロット」の推移も性別×年齢別に見てみました。


<趣味:パチンコ・スロット>(性×年齢別)

男性20代・30代・40代のパチンコ離れが、ここまで進んでいるとは、正直、驚きました。
また、全体として、世代ごとの差が薄れている点は興味深いです。

2018年2月1日に新規則が施行され、パチンコ・パチスロの仕様が大きく変更となっています。
パチンコ・パチスロ業界にとっては、生死を分ける戦いになりそうです。
あくまでも私見ですが、ギャンブル性が薄れる方向への規則変更では、やはり厳しいのではと思っています。

<関連記事>
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いろいろ書いてきましたが、
今回のまとめとして、日本にカジノが誕生したら、やはりターゲットは高齢層が中心になるのかもしれないですね。

 

※データの出典:「生活定点」のサイト
https://seikatsusoken.jp/teiten/

※こちらのサイトから、衣、食、住、働き、恋愛・結婚など、21のカテゴリーにわたる26年分の生活者観測データ約1,400項目を、すべてグラフで見られます。

<調査概要>
首都40km圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県)
阪神30km圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)
訪問留置法
1992年から偶数年5月に実施(最新調査は、2018年5月16日~6月15日)
20歳~69歳の男女
3,080人(2018年・有効回収数)
2015年国勢調査に基づく人口構成比(性年代5歳刻み)で割付