読書感想『カジノエージェントが見た天国と地獄』

ざっくり言うと

  • 現役カジノエージェント(ジャンケットさん)が伝えるVIPカジノの実態
  • マネーロンダリングとも受け取られかねないジャンケットの仕組みを公開
  • 本書がきっかけとなって、これから大きな議論を呼びそう

出たてホヤホヤの本書。
CAZYのまわりはもとより、カジノファンやIR関係者の中では、既に大きな話題になっています。
まずは、カジノファンのひとりとして、筆者の尾嶋氏には感謝の気持ちでいっぱいです。

よくぞ公開してくださいました!

今後のカジノ議論の中で、もっとも紛糾するであろうVIP客への対応。
これまでメディアが大きく取り上げることは、ほとんどありませんでしたが(意図的に伏せられてきた?)、このタイミングで問題提起していただけたことに感謝です。

本件について、現役ジャンケットである筆者の尾嶋氏ほど問題提起にふさわしく、また、的確な意見を述べられる方はいないと思います。

オドロキ満載の本書、カジノファン以上に、IR関係者には是非読んでいただきた1冊でした。

<1番目のオドロキ>
マカオで働くカジノのエージェント(ジャンケットさん)が、実名・顔出しで本書を出版されたこと。

<2番目のオドロキ>
筆者も黒に近いグレーと表現されていましたが、マネーロンダリングとも受け取られかねないジャンケットの仕組(VIPのお金の移動の仕組み)が詳細に記されていたこと。
(今後のカジノ議論の中心になりそう…)

「(カジノのマイナス面として)マカオのカジノと同様、日本のカジノがマネーロンダリングの場として使用されやすくなってしまう点。」(P184)

「資本主義であれば、マネーロンダリング的な闇の部分は、ある程度発生しまうものではと思います。」(P194)

あー、言っちゃいました…
でも、実際そのとおりなんですよね。
今後のカジノ議論の中で、国が現時点では認めない方針のジャンケットをどうするのか、また、海外VIPにどこまでクリーンさを求めるのかが、日本カジノ成功の分かれ目になることは間違いなさそうです。

<3番目のオドロキ>
一般客ではまず知ることのない、カジノVIP客のエピソードが惜しげもなく公開されていたこと。
(余計なお世話ですが、ここまで書いて筆者のお仕事に支障がないのかちょっと心配…)


『カジノエージェントが見た天国と地獄』,尾嶋 誠史(著),ポプラ社
https://amzn.to/2A45Slb

<amazonの紹介文>
人はなぜ、ギャンブルに狂うのか?
世界一のカジノ都市・マカオで大富豪のアテンドや資金を融通している日本人エージェントが初めて明かすカジノの裏側と大富豪のリアルな実態!
日本にカジノができたらどうなるか、数少ない現場を知る人間として、独自の戦略を問います。

第1章 世界一のカジノ都市・マカオの知られざる姿
第2章 一般ツアー客から大富豪まで味わう「天国と地獄」
第3章 日本人の僕がマカオのカジノで働いているわけ
第4章 日本にカジノができる日

本書の出版にあわせて、「ゲンダイ」で連載がはじまっています。まずはこちらから。

<1回目>
4兆円カジノ都市・マカオに集う「中国超富裕層」が日本に来る日

<2回目>
10分で1億円損失…カジノにおぼれた大富豪たちの悲惨

最後に本書の象徴的なひとことを。

一般人にとってカジノは「遊ぶ場」であって、「儲ける場所」ではない

「長年カジノを見てきた僕自身も、いっときはカジノでギャンブルをしたこともありますが、いまとなってみては僕自身はカジノでギャンブルをしたいとは全く思っていませんし、逆に周囲の人がカジノで遊びたいと言ったら、止めるでしょう。」(P204)

一般人は、ほどほどに遊ぶ程度が無難ということですね。
わかってはいるんですけどね…