マカオのVIPと一般客の構成を調べてみた

ざっくり言うと

  • 2012年には売上の7割を占めていたVIP売上は、約5割まで縮小
  • マカオの売上は、ほぼ全盛期まで盛り返す(2018年1~10月累計で約3兆5000億円)
  • マカオの利益は、約8割を一般客が生み出している

カジノ関係の書籍や記事を読むと、カジノ売上(もしくは利益)の8割はVIP客がもたらしている的な記述を多々目にするのですが、本当にそうなのか調べてみました。

調査は難航するかと思いきや、幸いものすごくよくまとめられたレポートがありました。
2017年3月のレポートにつき、少し古いですが。

「平成28年度 海外における特定複合観光施設に関する調査分析業務委託報告書」

作成は東京都港湾局。174ページもあるレポートにつき、ななめ読みです。


まずは、マカオのVIPとマス(一般客)の売上構成比から。

2012年には、売上の7割を占めていたVIP売上は、約5割まで縮小。
縮小の理由は、マカオは中国人 VIP に大きく依存していたため、習近平政権が進める反腐敗運動や中国の景気減速の影響を受けました。

そこで、各国のカジノは、特定の国や VIP に依存すると売上の変動が大きく、安定的な経営が難しいことを理由に、VIP 以外のマス(一般客)の獲得に注力することになったようです。

結果、現時点でのマカオのVIPとマスの比率は、半々ぐらいになっていました。

ちなみに、2015年に縮小したマカオの売上ですが、直近では2018年1~10月累計で2513.83億パタカ=約3兆5093億円(14.3%増)と、ほぼ全盛期まで盛り返しています。

過去記事:V字回復中(マカオ)


さらに、マカオの主要カジノを個別に見るとこんな感じ。

カジノによって、構成比が大きく異なるところが興味深いです。

ちなみに、韓国の主要カジノを個別に見るとこんな感じ。

VIPの売上構成比がかなり高いですが、自国民が入れないカジノにつき、この結果も納得です。
また、意外と日本人が多いところも興味深いです。


あと、こんな数字もありました。
VIPの利益率が低いため、各カジノはマスに力を入れていると書きましたが、下記の図でそれは一目瞭然です。売上はほぼ半々ですが、利益の約8割をマスが稼いでいることがわかります。

各カジノの財務諸表と政府統計では、このあたりのことしかわからないのですが、もしかするとVIPならではの裏の仕組みがあるのかもしれません。残念ながら、そこはザラ場専門のCAZYにはわからない世界です。


最後に、日本にカジノができたらどうなるのかというCAZYの勝手な予測ですが、下記の3つの理由からマスの比率が高くなるのではと思っています。

①親方日の丸の元、長年にわたって培ってきた900万人のパチンコファンを抱えている。
(パチンコファンとカジノファンが別属性であることは承知の上で。)

②激しいVIP客の奪い合いで、ジャンケットさんへの手数料やVIP客へのコンプ負担が高騰しており、VIPがあまり儲からなくなっている。

③加えて、清すぎる川に海外のVIPが来てくれるのかも気になるところです。

いずれにしても、ジャンケット参入の可否など、今後、政府がどのようなルールを定めるか次第なので、新しい情報を待ちたいと思います。


※サムネイル画像は、「平成28年度 海外における特定複合観光施設に関する調査分析業務委託報告書」より。